【防災士が解説】消防団が減る時代 家庭の役割はどう変わる?地域に頼りすぎない備えの考え方

地域防災を考える時、多くの人が心のどこかで頼っているのが消防団です。火災、風水害、地震、行方不明者対応、広報、警戒、避難誘導など、消防団は地域のすぐ近くで動く存在です。実際、消防庁は消防団を「地域防災力の中核」と位置づけ、法律でも消防団を中核とした地域防災力の充実強化を図ることが目的として定められています。ところが一方で、消防団員数は依然として減少傾向にあり、令和7年4月1日現在で73万2,223人、前年比1万4,458人減少と消防庁は公表しています。 oai_citation:0‡消防庁

防災士として現場感覚で強く感じるのは、家庭防災で本当に大切なのは「地域が助けてくれるか」ではなく、「地域がすぐ動けない時でも家庭が最初を持てるか」だということです。被災地派遣や現場対応でも、崩れやすい家庭は地域を信じていない家庭ではなく、「誰かが来る前提」で初動を作っていなかった家庭でした。だから消防団が減る時代の家庭防災では、地域に頼らないことではなく、“地域に頼りすぎない設計”へ変えることが重要になります。 oai_citation:1‡消防庁


■① 消防団は今も地域防災の中核である

消防団は、火災対応だけの組織ではありません。消防庁の資料でも、消防団は地域防災力の中核を担う存在とされ、災害対応だけでなく、平時の防火啓発や見守り、広報なども担っています。また、「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」でも、消防団の強化を図ることなどにより地域防災力の強化を進めることが明記されています。 oai_citation:2‡消防庁

防災では、まずこの前提を外さないことが大切です。消防団が弱くなっているから不要なのではなく、今も欠かせないからこそ、その負担が家庭防災にも影響してくると考える方が現実的です。 oai_citation:3‡消防庁


■② ただし消防団員数は減少傾向が続いている

消防庁が公表した令和7年度の調査結果では、消防団員数は依然として減少傾向にあるとされ、若年層の構成割合も低下しています。令和6年4月1日現在でも約74万7千人、令和7年4月1日現在では73万2,223人まで減少していると示されています。つまり、消防団は重要な存在である一方で、人数面では厳しい現実が続いています。 oai_citation:4‡消防庁

防災士として感じるのは、この変化を「地域が弱くなった」と嘆くだけでは足りないということです。家庭側も、「昔のように誰かがすぐ来る前提」が通用しにくくなっている現実を受け止める必要があります。 oai_citation:5‡消防庁


■③ 団員減少は“地域が守ってくれない”という意味ではない

ここで誤解しやすいのは、消防団員が減っていることを、そのまま「地域はもう頼れない」と受け取ってしまうことです。消防庁の白書では、基本団員が減少する一方で、機能別消防団員は増加しており、特定の役割を担う柔軟な形も広がっています。つまり、地域防災が消えるのではなく、形が変わっている面もあります。 oai_citation:6‡消防庁

防災では、ここを極端に考えない方が大切です。地域の力は今も重要ですが、その力が届くまでの時間や、できることの範囲が変わっていると理解する方が家庭防災には役立ちます。 oai_citation:7‡消防庁


■④ 家庭の役割は“地域を補う”方向へ変わっていく

消防団が減る時代に家庭の役割として大きくなるのは、最初の数十分から数時間を自力で回すことです。消防庁や内閣府の資料でも、自助・共助・公助の連携が繰り返し重視されており、特に地域防災力の充実強化には住民の防災活動への参加や連携が求められています。つまり、家庭は単に守られる側ではなく、地域防災力の一部として位置づけられています。 oai_citation:8‡消防庁

被災地派遣でも、強かった家庭は、地域に頼らなかった家庭ではありませんでした。地域を前提にしつつも、「最初の火の始末」「初期避難」「安否確認」「通電火災防止」など、家庭内の初動を自分で持っていた家庭でした。そこがこれからさらに重要になります。 oai_citation:9‡消防庁


■⑤ 地域に頼りすぎない備えで最初に見直したいのは“初動”

消防団が到着する前に家庭がやるべきことは少なくありません。火災なら初期消火と119番、地震なら身の安全確保と火元確認、風水害なら早めの避難判断、停電なら情報確保と火災予防。こうした初動が家庭で決まっているかどうかで、地域側の負担も大きく変わります。消防庁が地域防災力の強化を住民との連携で進めるとしているのは、まさにこの部分が大きいからです。 oai_citation:10‡消防庁

防災士として現場で多かったのは、「消防団が来るまで何をすればよいか分からない」という家庭でした。だから地域に頼りすぎない備えとは、特別な機材を持つことではなく、“最初の一手が決まっていること”です。 oai_citation:11‡消防庁


■⑥ 家庭が持つべきなのは“孤立する力”ではなく“つながるまで持つ力”

地域に頼りすぎない備えというと、全部自分たちで何とかすることのように聞こえます。ですが、それは少し違います。消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律でも、住民、自主防災組織、消防団、自治体、国などの連携協力が重要とされています。つまり、家庭防災は孤立することではなく、つながる前提で最初を持つことです。 oai_citation:12‡消防庁

防災士として感じるのは、家庭の役割は「最後まで一人で頑張る」ことではありません。家庭の強さとは、地域や消防団、行政につながるまで崩れないことです。だから、飲み水、トイレ、薬、連絡手段、避難判断の準備が重要になります。 oai_citation:13‡消防庁


■⑦ 防災士として実際に多かった失敗

防災士として実際に多かった失敗の一つは、「消防団がいるから何とかなる」と、家庭側の初動を作らないことでした。もう一つは、「地域の人が知っているだろう」と、自分の家の危険、避難先、連絡方法を曖昧にしたままにすることでした。消防庁の資料でも、地域防災力は消防団だけでなく住民や自主防災組織との連携で成り立つとされています。 oai_citation:14‡消防庁

被災地派遣やLOとしての経験でも、強かった家庭は、地域を信用していない家庭ではありませんでした。地域の力が届くまでの空白を、自分たちで埋める準備をしていた家庭でした。行政側が言いにくい本音に近いですが、消防団が減る時代ほど、家庭は“待つだけの立場”ではいられません。 oai_citation:15‡消防庁


■⑧ 家庭で決めたい“地域に頼りすぎない備え”の3ルール

消防団が減る時代の家庭防災では、長い議論より短いルールの方が役立ちます。

「最初の火災・避難・安否確認は家で動く」
「地域の力は前提にしつつ、来るまでを家庭で持つ」
「水・トイレ・薬・連絡手段を先に切らさない」

私は現場で、強い家庭ほど、制度を詳しく知っている家庭ではなく、最初の行動が短く決まっていた家庭だと感じてきました。この3つを共有するだけでも、地域防災と家庭防災はかなりつながりやすくなります。 oai_citation:16‡消防庁


■まとめ|消防団が減る時代に家庭が変えるべきこと

消防団は今も地域防災力の中核であり、その重要性は法律や消防庁の資料でも明確です。一方で、団員数の減少傾向は続いており、地域の守る力の形は変わりつつあります。だから家庭が変えるべきなのは、地域を信じないことではなく、「地域がすぐ来る前提」から「地域とつながるまで家庭で持つ前提」へ考え方を変えることです。 oai_citation:17‡消防庁

結論:
消防団が減る時代に家庭が持つべき役割は、地域に頼らないことではなく、地域に頼りすぎず、最初の火災対応・避難・安否確認・生活維持を家で回せるようにすることです。
防災士としての現場体験から言うと、助かった家庭は、地域の力を否定した家庭ではなく、その力が届くまでの時間を自分たちでつないでいた家庭でした。これからの家庭防災は、地域の弱さを嘆くことではなく、地域の力を活かせる家庭の初動を作ることで強くなります。

参考:消防庁「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律概要」 (fdma.go.jp)

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