では、災害に強い人は何が違うのか。
結論はひとつ── 事前のメンタル防災ができているかどうか だ。
■災害時、人は“正常性バイアス”で動けなくなる
地震・水害・火災の現場で多く見たのは、次のような行動だ。
● 「まだ大丈夫」
● 「様子を見よう」
● 「自分の家は安全だと思っていた」
これはすべて“正常性バイアス”が原因。
脳が危険を小さく見積もり、現実を受け入れたがらない心理作用だ。
しかし、この心理を理解している人は、
「人間は逃げ遅れる生き物だ」
と知っているため、逆に避難が早くなる。
心理を知ることが、生存率を高める第一歩になる。
■“最悪の想定”をしておくことが心を守る
消防でよく使う言葉に、
「最悪を想定し、最善を準備する」
というものがある。
● 停電は数日
● 断水は1週間
● 避難所は混雑
● 救助はすぐに来ない
これらを前提にしておくと、災害本番で驚かなくなる。
驚きが小さいほど、冷静さを保てる。
メンタル防災とは、「心のショックを減らすための訓練」でもある。
■行動手順を“決めておく”と迷いが消える
災害時にパニックが起きる理由の大半は「判断が多すぎる」こと。
しかし、行動を事前に決めておけば迷いがなくなる。
● 地震が来たらココに身を隠す
● 家を出るかの判断ラインを決める
● 家族の集合場所を固定する
● 非常用持ち出しは玄関に置く
これだけで、災害本番で行動が止まらなくなる。
“考える量”を減らすことが、心を守る最大のコツだ。
■知識は恐怖を小さくする“精神安定剤”
不安の正体は「知らないこと」。
知識があるほど、災害時の恐怖は小さくなる。
● なぜ家が揺れるのか
● どこが危険なのか
● どれほどの被害が想定されるのか
● どう逃げればよいのか
これらを知っているだけで心は安定する。
防災は“知れば知るほど怖くなくなる”分野だ。
■地域とのつながりは“心の支え”になる
災害は孤独ほど危険なものはない。
地域のつながりは、心の安定にも大きく寄与する。
● 高齢者の状況
● 子どもの避難力
● 近所のLINEグループ
● 助け合える関係性
人とのつながりは、非常時のメンタルを大きく支える。
これは消防現場で何度も感じたことだ。
■まとめ|心が強い人が災害を生き延びる
災害に強い人は、運がいいのではない。
日頃から“心の準備”ができているだけだ。
● 正常性バイアスを理解する
● 最悪の想定で驚きを減らす
● 行動手順を決めて迷いをなくす
● 正しい知識で恐怖を小さくする
● 地域とのつながりで心を強くする
この5つが、災害時にあなたの命を守る「メンタル防災の核心」。
心が折れなければ、行動が止まらない。
行動が止まらなければ、生存率は確実に上がる。

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