災害時、子どもを守る鍵は「何を持つか」より“子どもが自分で扱えるか”にある。

防災現場では、
● 大人向けの装備が大きすぎて使えない
● 重くて子どもが歩けない
● 暗闇や騒音でパニックになる
といったケースが非常に多い。

そこで今回は、子どもを守る家庭が必ず準備している
“子ども専用の防災セット”の作り方を解説する。


■① 子ども専用バッグは「軽さ」が最優先

大人と同じ避難バッグはNG。
子どもの体力では重すぎて、逃げ遅れの原因になる。

● 体重の10%以内(20kgの子なら2kgまで)
● リュックは子ども用の軽量タイプ
● 背面クッションのあるもの

子どもが「自分で背負える」ことが絶対条件。


■② ヘッドライトは子ども用サイズで必須装備

災害時は停電が最も多い。
暗闇で不安になると、子どもの行動が止まる。

● 子どもでも付けやすいワンタッチスイッチ
● 重さ80g以下のヘッドライト
● 電池式(予備の単4電池2本)

両手が空くヘッドライトは、避難時に圧倒的に便利。


■③ 子どもが“絶対に不安になる三要素”を消しておく

子どもは次の3つにとても弱い。

① 暗さ
② 大きな音
③ 空腹

そこで、防災セットにはこれを必ず入れる。

● 小型ライト(非常時は枕元にも置ける)
● 子ども用イヤーマフ
● カロリーメイト・ラムネ・ゼリー飲料

たったこれだけで、避難所で泣く確率が大幅に下がる。


■④ 子どもが自分で使える“簡単防災アイテム”

避難所では、大人はどうしても動き回る。
子どもが自分で扱えるアイテムは心の強さにもつながる。

● ハンディ扇風機(夏の熱中症対策)
● ミニ毛布(冬の低体温症を防ぐ)
● ウエットティッシュ
● 絵カード(不安を伝えるためのカード)
● 小さめの水筒

「自分でできること」が増えるほど、子どもの心は落ち着く。


■⑤ 迷子対策は“名前を書くだけ”では不十分

災害時の避難所は人が密集し、迷子が非常に多い。
元消防職員としても、迷子対応は毎回の課題だった。

次の3つは必ず準備してほしい。

● 親の名前・電話番号を書いたネームカード
● 子どもの靴に番号シール
● 親と同じ色の目印(リストバンドやキーホルダー)

「色で家族を判別できる仕組み」は効果が高い。


■まとめ|子ども専用セットは“自立の防災力”を育てる

大切なのは、大人と同じものを持たせることではなく
子どもが自分の力で動ける環境を作ること

● 軽く背負えるバッグ
● 暗闇・音・空腹への対策
● 自分で扱える道具
● 迷子にならない仕組み

これらを整えておくだけで、
災害時の子どもの落ち着きは驚くほど変わる。

今日1つでも準備すれば、それが子どもを守る“確かな力”になる。

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