【元消防職員・防災士が解説】子どもを守る“在宅避難のコツ”|家を“安全な避難所”に変える方法

近年の災害では、避難所に行かず「在宅避難」を選ぶ家庭が増えている。
しかし、子どもがいる家庭の在宅避難には、特有のリスクと準備が必要だ。

ここでは、家を“子どもにとって安全で安心できる避難場所”にするためのポイントをまとめる。


■① 在宅避難の最大の条件は「家が安全であること」

在宅避難は便利だが、次の条件を満たしていなければ危険。

● 浸水・土砂災害エリアに入っていない
● 建物が大きく損傷していない
● ガス漏れ・火災の危険がない

まずは“家に留まっても命に関わらないか”を冷静に判断する。
子どもがいる家庭ほど、判断基準は厳しくすべき。


■② 在宅避難で最も大事なのは「生活の継続性」

子どもは環境が変わるとストレスを感じやすい。
だからこそ、在宅避難では“普段の生活リズム”をできる限り残すことが重要。

● いつもの部屋・いつもの布団で寝られる
● トイレ(簡易トイレ)の確保
● 生活音(ラジオ・照明)で安心感を保つ
● 少しの遊び道具を残しておく

「普段と同じ」が子どものメンタルを支える。


■③ 食事は“温かいもの”を必ず1回入れる

災害時、子どもは冷たい食事が続くと体力と気力が落ちやすい。

● カセットコンロ
● カセットガス(20本以上)
● アルファ米
● スープ・味噌汁

温かい食事があるだけで、子どもの安心感は大きく変わる。
親自身のメンタル維持にも効果的。


■④ 子どものための“安全地帯”を家に作る

揺れに強い・落下物が少ない場所を“安全地帯”にする。

● 窓から離れた部屋
● 高い家具がない
● ガラス飛散防止フィルム済み
● 懐中電灯・毛布・水をセット

ここを「避難部屋」として家族で共有しておく。
地震直後に迷わず移動できれば、生存率は大きく上がる。


■⑤ 水とトイレは“子育て家庭ほど多めに”備える

子どもは大人以上に水を必要とする。
在宅避難では、次を基準に備蓄すると安心。

● 水:1人1日3リットル × 7日
● 簡易トイレ:1人1日5回 × 7日

子どもや高齢者のいる家庭は「1週間の在宅避難」を基準にするのが現実的。


■⑥ 夜間の停電対策は“光”が命を守る

暗さは子どもの不安を最大化する。

● LEDランタン(部屋全体が明るくなる)
● ヘッドライト(親の両手を空ける)
● 乾電池は多めに

停電で真っ暗になると、パニックにつながる。
家庭に“明かりの備え”を増やすだけで安全度が大きく上がる。


■まとめ|子どもが安心できる環境を“事前に作る”

在宅避難は「家にいるだけ」ではない。
子どもが安心して過ごすための準備と工夫が必要だ。

● 家の安全確認
● 温かい食事
● トイレ・水の確保
● 安全地帯の設定
● 明かりの備え

家を“家族専用の避難所”にすることで、非常時でも子どもの不安を大きく減らせる。

今日から少しずつ準備を始めておこう。

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