子どもを連れての避難は、大人だけの避難とはまったく違う。
判断ミス・準備不足・想定外の行動が、命に直結することもある。
ここでは「子どもと一緒に避難する家庭が必ず知っておくべき基本」をまとめる。
■① 「いつ逃げるか」を家族全員が共有しておく
子連れ避難でもっとも危険なのは“逃げ遅れ”。
特に夜間は判断が遅れがちになる。
● 警戒レベル4(避難指示)=迷わず避難
● 洪水・土砂災害エリアは早めの自主避難
● 気象庁「キキクル(危険度分布)」を毎回確認
● 夜の避難は迷わず早めに行動
大人だけなら間に合う場面でも、子どもがいると遅れる。
“逃げる基準”を家族で言語化しておくことが命を守る。
■② 子どもを抱えて避難する場合の“安全な移動”
災害時、子どもは転倒・迷子・負傷のリスクが高い。
● 抱っこ紐・おんぶ紐は必ず玄関に常備
● 両手が空く状態で避難する
● 階段は“後ろ向き”や“手すり側”で慎重に
● ベビーカーは原則NG(段差・瓦礫が危険)
抱きかかえるのではなく“密着”で移動できる工夫が重要。
■③ 車で避難するか?歩くか?の判断基準
子どもがいると車で避難したくなるが、判断を誤ると逆に危険。
【車で避難していいケース】
● 事前避難(雨が降る前・水が来る前)
● 渋滞しない時間帯
● 目的地まで安全に走れる道路が確保されている
【車で避難が危険なケース】
● 水害時(30cmでエンスト、50cmで流される)
● すでに道路冠水が始まっている
● 土砂災害エリアの夜間
車は便利だが“逃げ遅れの原因”にもなる。
可能な限り、早期の移動が鉄則。
■④ 子どもの持ち物は“軽く・最小限”が正解
避難時に荷物を詰め込みすぎる家庭が多いが、重い荷物は安全な移動を妨げる。
● 水分(小さめのペットボトル)
● おむつ・おしりふき
● 小さなお菓子(安心できる味)
● タオル・ビニール袋
● 子ども用ライト
● 迷子対策カード(名前・連絡先)
大切なのは「避難所まで安全に到達すること」。
荷物は少ないほうが行動が早くなる。
■⑤ 子どもが“走り出さない・離れない”ための事前ルール
災害時はいつも以上に子どもが不安定になる。
迷子や歩行中の事故を防ぐためのルールが必要。
● 「避難中は必ず手を離さない」
● 「道路の外側を歩かない」
● 「親より絶対前に行かない」
● 「走らない・叫ばない」
普段から少しずつ練習しておくと、いざという時に役立つ。
■⑥ 避難所に到着したら最初にすべきこと
避難所に入った瞬間が、もっとも混乱する時間帯。
その中で、子どもを安全に過ごさせるためにやるべきことは決まっている。
● ① 静かで安全な“家族スペース”を確保する
● ② 子どもの不安を落ち着かせる(飲み物・タオル)
● ③ トイレの場所・出入口・危険エリアを確認
● ④ 子どもの行動範囲を明確にする
まずは「安全基地」をつくることがすべての基準になる。
■まとめ|子どもと一緒の避難では“早く・軽く・安全に”
子ども連れの避難は次のポイントさえ押さえれば大きく安全性が高まる。
● 避難判断を早めにする
● 両手が空いた状態で移動
● 荷物は最小限
● 車は“早期避難”なら有効
● 到着後は安全基地をつくる
命を守る行動は、事前準備で8割決まる。
今日から家庭の避難ルールを話し合っておこう。

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