災害時、最も弱い立場になるのが「0〜6歳の子ども」。
避難の判断も、自分で身を守る行動も、ほぼ親の手に委ねられている。
だからこそ、乳幼児期の防災は“家庭の備え”がすべてのカギを握る。
ここでは、0〜6歳の子どもを守るための具体的な防災対策をまとめる。
■① 抱っこ・おんぶで避難できる装備を常備する
乳幼児は歩くスピードも体力も低いため、避難時は必ず“親が運ぶ前提”で準備が必要。
● 抱っこ紐(両手が空くタイプが最強)
● 抱っこ→おんぶを素早く切り替えられるもの
● 夜間避難用に反射材付きポーチ
● 軽量の非常用リュック
特に地震・火災では“両手が自由かどうか”が生死を分ける。
■② ベビーフード・粉ミルクは“最低3日+外出用”
災害時、乳幼児用の食品はすぐに不足する。
大人の非常食で代用できないため、必ず専用品の備蓄を。
● キューブ型ミルク
● 液体ミルク(調乳不要で最強)
● パウチ型離乳食
● 常温保存可能な幼児食
● 子どもの好きなおやつ
乳幼児は「食べ慣れている味」しか口にしないことが多い。
普段から試しておくのが大切。
■③ おむつ・おしりふきは“かさばるが必須装備”
避難所で最も不足するのが乳幼児用品。
特におむつは、数時間で状況が悪化することもある。
● おむつは最低でも2日分
● おしりふきは水がなくても衛生管理ができる
● ビニール袋は大量に必要(防臭対策)
● 汚物を持ち帰る袋も確保
乳幼児の衛生環境は、体調不良を防ぐうえで最重要。
■④ 子どもは“泣くのが仕事”|音対策も必要
避難所は想像以上に騒音・ストレスが多い。
乳幼児は慣れない環境で泣きやすく、親が気を使いすぎて疲れ果てるケースが多い。
● 絵本・タブレット(オフライン動画)
● イヤーマフ(騒音対策)
● 落ち着くぬいぐるみ
● お気に入りのタオル
子どもが安心できるアイテムを1セット入れておくと、避難生活の負担が大幅に減る。
■⑤ ベビーカーより“抱っこ紐+スニーカー”が安全
災害時、ベビーカーは次の理由で危険になる。
● 落下物や段差で動かない
● 大渋滞になる
● 雨・夜間で視界不良
● 転倒リスクが高い
災害時の基本は
「抱っこ紐 × 親のスニーカー」
これが最も早く、安全に動ける組み合わせ。
■⑥ 夜間の避難は“光”と“足元”を確保
乳幼児を連れて夜間に避難する場合は、転倒リスクを極限まで下げる必要がある。
● 反射材付きスニーカー
● 頭に付けるヘッドライト
● 子どもを抱っこしたまま使える手元ライト
● 暗闇で光るキーホルダー
親が転倒=子どもの負傷になるため、照明装備は多めが安心。
■⑦ 子どもに合わせた“家の中の地震対策”
乳幼児は家の中で過ごす時間が長い。
だから「室内の安全」が命を守る最重要ポイント。
● タンス・テレビを固定
● ベビーベッド周りに落下物を置かない
● ガラスに飛散防止フィルム
● おもちゃ棚の転倒防止
この4つだけで、室内でのケガは大幅に減る。
■⑧ 迷子対策は“タグ・写真・名前シール”
災害時、親子が離れ離れになるケースは珍しくない。
迷子対策は事前準備がすべて。
● 子どもの全身写真をスマホに保存
● 名前・年齢・連絡先を書いたタグ
● 雨にも強いネームシール
● 迷子時の声かけ練習
特に0〜3歳は迷子率が高いため、必須の備えになる。
■⑨ 子どもは“予測不能”。だから準備が必要。
大人と違い、乳幼児は…
・走り出す
・泣く
・とっさにしゃがむ
・親から離れる
など、行動が読みにくい。
だからこそ、親の準備と習慣づくりで危険を先回りして潰していく。
■まとめ|0〜6歳の防災は“親の準備”がすべて
乳幼児の安全は、次の5つで決まる。
● 抱っこ紐と持ち運び装備
● 食料・ミルク・おむつの備蓄
● 夜間・雨天での移動対策
● 家の中の安全確保
● 迷子にならない仕組みづくり
0〜6歳の防災は、「今日の準備」で命が守られる。
家庭でできる小さな対策が、子どもにとって最大の防災力になる。

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