災害時、子どもが安全に避難できるかどうかは
「正しい判断」よりも「体にしみ込んだ習慣」で決まる。
パニックの中で冷静な判断ができる大人は少ない。
まして子どもなら、なおさら“習慣化された行動”だけが命を守る。
ここでは、子どもに身につけさせたい“避難行動の習慣”を解説する。
■① “揺れたら頭を守る”を条件反射でできるようにする
地震は予告なく起き、判断の時間もない。
だから子どもには「考える前に動く行動」を教える必要がある。
● 揺れたら机の下
● 机がなければ枕・ランドセルで頭を守る
● 手は頭、体は丸く
練習は3秒以内を目標にすると、習慣化しやすい。
■② どんな災害でも“高い場所に避難”を最優先にする
洪水・津波・土砂災害は、低い場所ほど危険になる。
シンプルに伝えることが、パニックを防ぐコツ。
● 低い場所に近づかない
● 川・側溝・マンホールに近寄らない
● 雨の日の帰り道は「高い道」を選ぶ
子どもはシンプルなルールほど守りやすい。
■③ “玄関を使わず別ルートで逃げる”練習をしておく
火災や地震で玄関が塞がれるケースは多い。
避難経路が1つしかないと、子どもは必ず立ち止まる。
● ベランダから隣へ
● 裏口・勝手口
● 窓から外へ声を出す
日頃から「家には出口が複数ある」と体で理解させておく。
■④ 塀・看板・窓ガラスから“2メートル以上離れる”習慣
地震・強風・大型車の通過など
子どもの周りには“倒れる危険物”が多い。
● ブロック塀の横を歩かない
● ガラス張りの店の前は避ける
● 大きな看板の下に立たない
短い言葉で伝えるなら
→「高い物のそばに立たない！」
これだけでケガの確率は大幅に下がる。
■⑤ 夜間避難は“声と光”が命を守る
暗闇は大人でも怖い。
だからこそ子どもに「暗闇での行動」を慣れさせておく。
● 懐中電灯を必ず持つ
● 親の服かリュックをつかむ
● 声を出して位置を知らせる
家庭で月1回「懐中電灯避難ごっこ」をすると反応が早くなる。
■⑥ “戻らない”を徹底させる
災害時に子どもが最も危険になるのが
「忘れ物を取りに戻る」「家族を探しに戻る」行動。
● 戻らない
● 探しに行かない
● 移動は必ず先生・大人と一緒
安全行動で最も重要な“戻らない習慣”を必ず教えておく。
■⑦ 緊急時に“親を探さず避難”できるかが生存率を左右する
子どもは親の顔を見るまで安心できない。
しかし災害時は、それが命取りになる。
● 親より早く逃げていい
● 先生の指示が最優先
● 親は必ず迎えに行く
この3つは、繰り返し伝えるほど強い習慣になる。
■⑧ 幼児は“役割”を与えると行動しやすい
ただ避難させるより
“役割を持たせた方が動ける”のが子どもの特性。
● 上の子：ライト担当
● 下の子：親の服を持つ
● 幼児：リュックを背負う（軽いもの）
役割は不安を減らし、行動を安定させる。
■まとめ｜避難スキルは“練習と習慣”でしか身につかない
子どもは、大人が思っている以上に災害に弱い。
しかし「繰り返し教える」「シンプルに伝える」「一緒に練習する」
この3つさえ徹底すれば、災害時でも必ず動けるようになる。
● 揺れたら頭
● 高い場所へ逃げる
● 戻らない
● 声と光を使う
● 先生の指示に従う
家庭が防災教育をしておくことこそ、最大の“子どもの防災”。
今日から1つずつ習慣にしていけば、必ず強い行動力が育つ。
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