企業が災害に強くなるかどうかは、実は“新入社員の防災理解”に大きく左右される。
現場に最も多くいるのは新人であり、非常時に最初に状況を目にするのも新人だからだ。
ここでは、新人が最初の1ヶ月で身につけておくべき「基本の防災スキル」をまとめる。
■① 会社の避難ルートを“完全に覚える”
災害時に迷う最大の原因は「避難経路を知らないこと」。
● 非常口の場所
● 階段の位置(エレベーターは絶対NG)
● 外に出た後の集合場所
● 夜間・停電時の動線
これらは全て“自分の命を守る最初の技術”。
新人が避難ルートを把握している企業は、生存率が高い。
■② オフィスの危険ポイントを見つける“危険予測力”
新人こそ、職場の危険に気づける。
その目は企業にとって最強の安全装備だ。
● 落下しそうな棚
● コピー機やロッカーの固定
● 足元のコード類
● ガラス付近の作業スペース
“職場の危険を1つ見つけて改善”するだけで、会社は劇的に安全になる。
■③ 初期消火の判断基準を知る(逃げるか、消すか)
新入社員ほど「火を前に固まってしまう」ことが多い。
だからこそ、判断基準が最初に必要だ。
● 炎が天井に届く → 消火は不可能
● 火元が見えない → 近づかない
● 煙が黒い → 避難優先
● 自分の背丈以上の火 → 逃げる
消火器の使い方はシンプルだが、使う場面の判断を誤ると命に関わる。
■④ 安否確認は「即レス」が企業の生存率を左右する
災害時、最初に行うのは“安否の返信”。
これが遅れると企業の動きが止まる。
● LINEや安否アプリを即返信
● 圏外 → SMS、Wi-Fi、固定電話を使う
● 文面は短く「無事/けが/避難中」
● 自宅にいる場合も必ず報告
新人の安否が分かるだけで、上司・企業の判断スピードは圧倒的に上がる。
■⑤ 帰宅困難時の「帰らない勇気」を持つ
新人が最も誤りやすい判断がこれ。
● とにかく家に帰ろうとする
● 走って駅へ向かう
● SNSの噂を信じて移動する
これが最も危険。
企業が新人に伝えるべきは:
● 震度5強以上 → 原則オフィス待機
● 鉄道ストップ → 移動しない
● 深夜の災害 → 上司へ連絡し自宅待機
● 会社に“帰宅困難者用備蓄”があることを知る
「帰らない判断」が命を守り、二次災害を防ぐ。
■まとめ|新入社員の防災力は“企業全体の防災力”
新人が最初の1ヶ月で覚えるべき防災はこの5つ。
● 避難ルート
● 危険予測
● 初期消火の判断
● 安否確認の即レス
● 帰宅困難時の行動
これを理解している新人が多い企業は、
災害に圧倒的に強い。
企業の防災力は“新人の知識”で底上げできる。
災害は待ってくれない。今日から1つずつ鍛えてほしい。

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