【元消防職員・防災士が解説】新入社員が必ず身につけたい“オフィス火災の初動対応”5つ

オフィス火災は、地震以上に“初動の数分”で明暗が分かれる。
特に新入社員は火災経験がないため、パニックになりやすい。

ここでは、新入社員でも確実に使える「オフィス火災の初動対応」をまとめる。


■① 火災を見つけたら大声で知らせる(通報より先)

火を見つけた新人がやりがちなミスは
「自分だけでなんとかしようとする」こと。

火災対応の最優先は“仲間に知らせる”こと。

● 「火事です!」と大声で叫ぶ
● 周囲の人に危険を知らせる
● 初動の協力者を一気に増やす

火災で最も危険なのは“気づくのが遅れる”こと。
声を上げるだけで、被害は劇的に減る。


■② 通報は119番より“社内ルールが優先”になる

会社は火災時の通報ルートを決めている。

● 総務へ連絡 → 総務が全館へ通報
● フロア責任者 → 館内放送
● 建物管理へ通報

新人はここを知らないことが多い。
まずは「社内マニュアルの通報フロー」を必ず確認しておくこと。

※もちろん、緊急時は119番でOK。
ただし“会社としての対応”が必要な場面が多い。


■③ 初期消火は“天井まで火が届く前だけ”に限る

オフィス火災での初期消火は、新人ほど無理しがち。
しかし、この判断基準だけ覚えておけばよい。

● 火が“天井に届く前” → 初期消火が可能
● 火が“天井に届いた後” → 初期消火は不可能(逃げる)

逃げ遅れを防ぐための鉄則だ。


■④ 消火器の使い方は3秒で覚えられる

新人でも即使えるよう、超シンプルにまとめる。

● ピンを抜く
● ノズルを持つ
● レバーを握る
● 火の根元に向けて左右に振る

覚える必要はない。
“火の根元に噴射する”これだけ完璧に理解しておけばいい。


■⑤ 避難は「姿勢を低く・煙を吸わない」が最優先

火災で亡くなる人の約8割が“煙による窒息”。
新人はここを軽視しがちだが、最も重要なポイント。

● 姿勢を低く
● ハンカチや袖で口を覆う
● 壁に沿って出口へ向かう
● エレベーターは絶対に使わない
● 荷物は持たない

オフィス火災は、煙の広がるスピードが非常に早い。
“低く走る”だけで生存率が大きく上がる。


■まとめ|火災の初動ができる新人は“強い”

オフィス火災は、誰でも突然遭遇する。
しかし、たった数分の初動で被害は変わる。

● 大声で知らせる
● 社内の通報ルートを守る
● 天井火災は初期消火しない
● 消火器は根元へ
● 姿勢は低く避難

これらを知っている新人は、会社にとって“即戦力の防災人材”。

今日の1記事で、あなたの会社の防災力が一段上がる。

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