【元消防職員・防災士が解説】大学生が“バイト中の災害”から身を守るための防災術

大学生は授業だけでなく、バイト中に災害へ巻き込まれるケースが多い。
店舗・飲食店・塾・接客業などは閉鎖空間が多く、地震・火災・停電が起きた時に“職場での判断力”が命を左右する。

ここでは、大学生が知っておくべき“バイト中の防災スキル”をまとめる。


■① バイト先の“危険ポイント”を把握しておく

災害時にパニックになるのは「どこが危険かわからない」から。
バイトを始めたらまずこれを確認する。

● 非常口の場所(複数)
● 消火器と火災報知器の位置
● ガス・ブレーカーの場所
● 店の裏口・勝手口の有無
● 地震で倒れる棚・落下する物

「店のどこが危険で、どこが安全か」を知るだけで生存率は上がる。


■② 地震発生時:店内は“落下物・ガラス”が最大の敵

飲食店・アパレル・雑貨店などは、商品が多く落下リスクが高い。
揺れた瞬間の行動でケガを防げる。

● まずは“しゃがんで頭を守る”
● ガラス棚・食器棚から離れる
● キッチンでは火元から離れる
● 揺れが収まってからお客の安全誘導

店内では「立って逃げる」より「まず低くなる」が正解。


■③ 火災発生時:大学生でも“初期消火”ができる知識を持つ

バイト中の火災は、初期対応で被害が大きく変わる。

● 火災報知器を押す
● 「火事です!」と大きな声で知らせる
● 初期の小さな火は消火器で対応
● 有毒ガスを吸わないよう姿勢を低く
● 煙が多い場合は即避難

消火器の使い方は1分で覚えられる。
ピンを抜く → ノズルを向ける → レバーを握る、これだけでいい。


■④ 停電時:飲食店・店舗は“感電・転倒”の危険が高まる

バイト先の停電はパニックになりやすい。
まずは自分の安全確保が最優先。

● 暗闇で動かずライトを点灯
● ブレーカーを確認(管理者に連絡)
● 冷蔵庫・調理機器の状態を確認
● 足元の段差・コード類に注意
● 誘導灯を頼りに避難ルートを確保

普段からスマホライト・小型ライトをカバンに入れておくと安心。


■⑤ お客がいる場では“誘導リーダー”になる意識を持つ

大学生の多くが「自分はバイトだから」と遠慮しがち。
しかし、災害時は誰が店員かが重要であり、あなたの一言で被害が防げる。

● 「こちらに避難してください」と明確に声を出す
● お客を出口へ案内する
● 怪我人がいないか確認
● 店長・社員が不在時は自分が動く意識

店員の声かけは、パニック抑制に効果が高い。


■⑥ バイト先の“避難訓練がない場合”は自分で補う

小さな店ほど避難訓練がない。
そのため、自分で最低限の確認をしておく必要がある。

● 非常口の開閉確認(開かない扉も多い)
● 夜間シフトは“真っ暗な状態”を想定
● ガス遮断方法
● お客の数が多い時間帯の逃げ方

バイト先はあなたの命を守ってくれない。
自分で守るしかない。


■⑦ バイト帰りの“夜間の移動”にも危険がある

地震後や豪雨の夜は視界が悪く、大学生の事故が増える。

● 電柱・看板の倒壊に注意
● アンダーパスは冠水で危険
● 自転車は強風で転倒しやすい
● スマホのライトを照明代わりに活用

帰る前に“通れる道かどうか”必ずチェックすること。


■まとめ|大学生のバイト中は“災害に最も弱い時間帯”

大学生は立場が弱く、責任が曖昧なため避難が遅れがち。
しかし次を意識するだけで、大きく変わる。

● バイト先の危険ポイントを把握する
● 地震はまず“低くなる”
● 火災は初期消火 → すぐ通報
● 停電時は安全確保
● お客を誘導する意識
● バイト先が守ってくれない前提で行動する

災害時の行動は、あなた自身の“判断”にかかっている。
今日からできる準備で、バイト中の命を守ろう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました