【元消防職員・防災士が解説】高校生にこそ身につけてほしい“命を守る防災力”

高校生は体力も判断力もあり、災害時には“自分と周囲を守れる存在”になる。
しかし同時に、部活動・通学・友人との行動など、災害リスクが高まる場面も多い。
ここでは、高校生が必ず知っておきたい防災ポイントを解説する。


■① 通学中のリスクが最も高い

高校生の事故・被災リスクは“通学中”が圧倒的に多い。

● 自転車での強風・豪雨
● 大雨での冠水道路
● 地震での落下物・倒壊
● 電車の停止・帰宅困難

防災で最重要なのは「通学ルートの危険を知る」こと。

● 川沿いを通らない
● 坂・崖・トンネルを避ける
● 高架下・看板の近くを避ける
● 大雨の日は早めに出る or 休む判断も必要

学校任せではなく“自分で守る力”を持つことが高校生の防災。


■② SNSは命を救うツールにも、危険にもなる

高校生は災害時、SNS情報を最も信じやすい。
しかしXやTikTok、Instagramは“デマが最も早く広がる場所”でもある。

● 信頼できる情報源
 → 気象庁 / 自治体 / 消防 / 警察
● 信じてはいけない情報
 → 画像だけの投稿
 → 出典不明の警告
 → 「友達から聞いた」系デマ

正確な情報を選べる高校生は、家族以上に早く動ける。


■③ 部活動中の災害は最も危険

体育館・グラウンド・部室──
部活動中に災害が起きると、避難まで時間がかかる。

● 地震:体育館の照明・窓ガラス・ロッカーの落下
● 豪雨:グラウンドの浸水・河川氾濫
● 雷:金属製の道具・ゴール・防球ネット

特に雷は即命にかかわる。
次を徹底すること。

● 雷鳴が聞こえたら“即屋内避難”
● 木の下に避難しない
● 金属製品を置いて離れる
● 部活動中止の判断を早める

指導者の判断が遅れることもある。
“自分で判断できる高校生”は仲間の命も守れる。


■④ 放課後・寄り道中の被災が一番困る

高校生は災害時、家族と離れていることが多い。
だからこそ、次の準備が命を守る。

● 家族と「連絡方法」を決めておく
 (LINE・災害伝言ダイヤル)
● 雨の日・台風接近時は“寄り道しない”
● 友達と一緒でも危険区域を避ける
● 帰宅困難時の集合場所を決める

「大丈夫っしょ!」という油断が、命に最も響く年代。


■⑤ 高校生の家でも“家具固定”は必須

子ども部屋・勉強机・本棚──
高校生の部屋は地震で最も危険。

● 本棚が倒れる
● スマホが飛んで割れる
● ガラスが散乱する
● ベッド周りの物が落ちる

特に深夜の地震は、寝ている高校生が動けない。

次だけは必ずやっておくべきだ。

● 本棚を壁に固定
● ガラスに飛散防止フィルム
● ベッド周りに物を置かない
● スマホを足元に置かない

“寝室の安全”=命の確率そのもの。


■⑥ 高校生が身につけると最強の防災スキル

高校生は大人より学ぶスピードが早い。
次のスキルを覚えると、災害時の戦力になる。

● 止血・応急処置(タオル・三角巾でOK)
● 心肺蘇生・AED
● 火災時の通報方法
● 大雨時の危険兆候(濁流・斜面のひび割れ etc.)
● 家族を助けるための情報収集

高校生が応急処置を知っているだけで、救える命は本当に多い。


■⑦ 高校生こそメンタル防災が重要

高校生は“パニック”になりやすい年代でもある。
災害時の心理を知っているかどうかが、命を左右する。

● 正常性バイアス
 →「大丈夫だろう」で逃げ遅れる
● 同調圧力
→ 友達が動かないと自分も動かない
● 過剰不安
 → SNSのデマでパニックになる

知識が心を落ち着かせ、行動を冷静にする。


■まとめ|高校生は“家族を助ける側”になれる

高校生は、災害時に最も行動力のある世代だ。
その力が家族・友人の命を守る。

● 通学路の危険を知る
● SNSのデマに流されない
● 部活動中の危険行動をしない
● 家族と連絡方法を決める
● 部屋の家具を固定する

高校生の防災レベルが上がると、家庭の防災力が一気に強くなる。

今日からできることを一つずつ積み上げていこう。

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