高校生は、1日の中で「家の外にいる時間」が圧倒的に長い。
だからこそ、地震・豪雨・火災などが“通学中”に起きた場合の行動を知っておくことは命を守る最大の武器になる。
ここでは、高校生が通学中に被災したときの「瞬間の行動」と「その後の判断」をまとめる。
■① 地震が発生した瞬間:走らない・しゃがむ・頭を守る
通学中は、建物のガラス・看板・ブロック塀など危険が多い。
● 歩いている時:低くしゃがんで頭を守る
● 自転車:無理に止まらず“減速して”安全な場所で降りる
● 危険物の近くから離れる(自動販売機・外壁・ガラス)
● 揺れがおさまるまでは建物へ入らない
“走って逃げる”は最悪の行動。落下物でケガする可能性が跳ね上がる。
■② 豪雨・浸水時:川沿いの道を絶対に使わない
高校生の通学ルートには、川沿い・用水路・アンダーパスが多い。
大雨時はこれらが“最も危険なエリア”になる。
● 道路冠水が始まったらルート変更
● 橋の下・坂の下・地下道は絶対に近づかない
● 水深が足首を超えたら引き返す
● 自転車はすぐ押して進む(転倒が危険)
「水は浅く見えて深い」
豪雨時の事故の多くは“通学中の高校生”だ。
■③ 火災に遭遇した時:煙の方向と風向きを見る
街中で火災が起きると、遠くでも煙が一気に広がる。
● 風下には絶対に近づかない
● 風上へ逃げると煙を吸いにくい
● スマホ撮影は危険(立ち止まる行為が致命傷)
● 建物火災はガラス破裂・看板落下があるため距離を取る
火災は近づかないことが最も大事。高校生の“好奇心”は禁物。
■④ 公共交通機関の停止:駅に留まる?歩いて帰る?
地震や停電で電車が止まることは珍しくない。
● 駅に留まって良いケース
→ 夜間、悪天候、徒歩で帰宅が危険
→ 学校・家族が迎えに向かえる
● 歩いて帰ったほうが良いケース
→ 晴天で、徒歩圏内
→ ルートに危険が少ない
正解は“どっちでもなく、状況判断”。
帰宅困難者にならないために、駅で無理に動かないのも立派な判断だ。
■⑤ 家族と連絡が取れない時:事前ルールが命を守る
災害時、スマホは繋がらないことがある。
その時に頼れるのは「家族ルール」。
● 集合場所を決めておく
● LINEは既読がつかなくても送る
● 災害用伝言板(171)を使う
● 自宅への帰宅ルートは“複数”覚える
高校生自身が事前のルールを理解しておくと、迷わず行動できる。
■⑥ 自転車通学の高校生は“落下物”に最も注意
自転車は揺れや強風に弱く、倒れた先にガラス・看板があるケースが多い。
● 地震時はすぐに降りて安全な場所へ
● 強風時は無理せず押して歩く
● 電柱・古い建物の近くは避ける
● 橋の上は揺れが大きく危険
自転車は便利だが、災害時は“最初に危険になる移動手段”。
■⑦ 最寄りの避難場所は「学校」以外も知っておく
通学圏には避難できる場所が意外と多い。
● 公園
● 大型商業施設
● 鉄筋コンクリートの建物
● コンビニ(情報収集しやすい)
“自宅→学校”の直線ルートだけ知るのは不十分。
災害時は遠回りしても安全なルートを使うべきだ。
■⑧ スマホだけに頼らない|電池切れ対策が命を分ける
● モバイルバッテリーを必ず持つ
● 50%を切ったら節電モード
● 不要アプリの通知OFF
● 画面の明るさを下げる
特に高校生はSNS・動画で電池を消費しやすいため、災害時は意識が必要。
■まとめ|通学中の災害は“知識量”で生存率が変わる
高校生は自由度が高い分、災害のリスクも高い。
しかし次の行動を覚えておけば、命を守れる確率が大きく上がる。
● 地震:走らない・しゃがむ・頭を守る
● 豪雨:川沿い・地下道に近づかない
● 火災:風上へ避難
● 電車停止:無理に動かない
● スマホ:防災設定+モバイルバッテリー
● 家族ルール:集合場所と連絡手段
高校生でもできることは多い。
防災は「知っているかどうか」だけで助かる確率が大きく変わる。

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