【元消防職員・防災士が解説】高校生が“スマホだけに頼らない防災力”を身につける理由

現代の高校生にとって、スマホは生活の中心。
しかし災害時、スマホは「最初に使えなくなるツール」でもある。
通信障害、バッテリー切れ、圏外――どれも実際の災害で発生した。

ここでは、高校生が知っておくべき“スマホ依存脱却型の防災スキル”をまとめる。


■① 災害時はスマホがつながらない前提で動く

地震・大雨・停電が起きると、通信はすぐ混雑する。
特に高校生は「家族とすぐ繋がる」と思い込んでしまいがち。

● LINEの既読は当てにならない
● 電話はつながらないことが多い
● SNSの更新も遅れる
● GPSが狂う場合もある

“スマホが使えない前提”で行動することが命を守る。


■② 家族ルールを紙で持っておく

非常時にスマホが使えなければ、次に頼れるのは「紙」。

● 家族の携帯番号
● 自宅・祖父母の住所
● 緊急連絡先(学校・市役所)
● 集合場所の地図メモ
● 帰宅ルートの簡易図

財布や学生証ケースに入れておけば、スマホが使えなくても迷わない。


■③ 徒歩で帰れるルートを3つ覚える

スマホの地図は便利だが、災害時は読み込めないことがある。

● 学校 → 自宅の最短ルート
● 雨・浸水時でも安全な高台ルート
● 夜間・停電でも歩ける明るいルート

この3つを“見なくても歩けるレベル”で覚えておくと、生存率が上がる。


■④ 充電切れを防ぐ行動は“日常の習慣”で決まる

災害時だけ「気をつけよう」としても遅い。

● 寝る前に必ず100%にしておく
● モバイルバッテリーを必ず持つ
● 一日中スマホゲームは控える
● 自転車通学はモバイルバッテリーを固定しておく

特に高校生はスマホヘビーユーザーが多く、災害時に電池切れしやすい。


■⑤ スマホが使えなくても“最低限できること”を覚える

スマホなしでも、生き延びるために必要な行動は多い。

● 天気・危険箇所を事前チェック
● 近所の避難場所を覚えておく
● 川沿い・用水路に近づかない
● 地震時はしゃがんで頭を守る
● 道路冠水は足首で引き返す

スマホがなくても動ける人が、災害時の主導権を握る。


■⑥ SNSに投稿しない勇気が命を守る

高校生が災害時にやりがちな危険行動が「動画撮影」。
これは命のリスクを大きく上げる。

● 火災撮影 → 落下物や爆発に巻き込まれる
● 河川撮影 → 近づきすぎて転落
● 雷雨撮影 → 感電事故
● 地震撮影 → ガラス落下で怪我

災害時は“撮らない・近づかない”が正解。


■⑦ スマホは発災後30分で“命を守るツール”に変える

● モバイルバッテリーを接続
● 通信を節約するため機内モード
● 必要なアプリだけON
● 情報は自治体・消防・気象庁のみ
● 連絡は短文で「無事・移動・現在地」だけ送信

高校生でも簡単にできる“災害モード”の設定だ。


■まとめ|スマホがなくても動ける高校生が一番強い

災害時の最大の武器はスマホではなく“行動力”だ。

高校生が今知っておくべきことは次の通り。

● スマホは必ず使えなくなる
● 家族ルールは紙で持つ
● 徒歩ルートは3つ覚える
● SNS撮影は命取り
● 電池・通信を節約する知識を持つ

スマホ依存のままでは、災害には勝てない。
しかし“スマホがなくても動ける力”を持つ高校生は、どんな災害にも対応できる。

防災は知識より「準備」。
行動できる高校生こそ、家族を守る存在になれる。

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