【元消防職員・防災士が解説】高校生が“友だちと助け合う防災力”を身につける理由

災害時は、大人よりも高校生のほうが行動スピードが速い。
だからこそ、高校生同士の「助け合い力」が命を救う場面は多い。
特に学校・部活・登下校中は、大人の目が届かない場面が多く、仲間同士の支えが防災力の要になる。

ここでは、高校生が身につけるべき“仲間と助け合う防災スキル”をまとめる。


■① 友だちの「居場所」を把握しておく

災害発生時、家族より早く助けに行けるのは“近くにいる友人”。

● 今日の教室
● 部活の練習場所
● 下校ルート
● 塾・バイトの時間帯

普段から友達の行動パターンを知っておくことで、いざという時に迷わず動ける。


■② 「集合ルール」を友だち同士で決めておく

家族と同じく、仲間同士のルールも重要。

● 校庭に集合
● ◯◯公園に避難
● 帰宅が困難なら学校で待機
● 危険場所には近づかない

大災害ではスマホが使えない可能性があるため、“合流できる仕組み”が命を救う。


■③ 一緒にいる仲間の行動を“止める勇気”が必要

災害時の高校生に一番多いのが、好奇心による危険行動。

● SNSに投稿しようと川に近づく
● 火災を見に行く
● 友達の家まで様子を見に行く
● 自転車で濁流に突っ込む

この瞬間に、友人の行動を「止められるか」が防災力の差。

“止める=守る”という意識が重要。


■④ 仲間内で“役割分担”ができれば強い

災害時のグループ行動の基本は、役割分担。

● 情報役:自治体・消防の情報を確認
● 道確認役:安全なルートを判断
● 安全チェック役:周りの危険物を確認
● 行動役:避難の号令を出す

役割があると、パニックになりにくくなる。


■⑤ ケガをした友だちを守る“最低限の応急手当”

大きな技術は必要ない。最低限ができれば十分。

● 軽い出血 → 清潔な布で強く押さえる
● 捻挫 → 動かさず冷やす
● 打撲 → 冷却して安静
● 転倒 → 無理に歩かせない
● 意識があるか確認

「救急車を呼べばいい」は通用しない。
災害時は救急車が来ない、そもそも呼べない場合もある。


■⑥ 友だちが“パニックになった時”の接し方

災害時、大人よりも高校生のほうが不安を表に出しやすい。

● 「大丈夫、一緒にいるから」と声をかける
● 行動を一つずつ提案する
● 情報の取りすぎに注意する
● スマホ動画を見せない(不安が増す)

冷静な一言が、仲間の行動力を取り戻す。


■⑦ 帰宅困難時は「無理に帰らない」のがチームの生命線

徒歩で帰れると思っても、状況が悪化することは多い。

● 浸水道路
● 停電で真っ暗
● 橋の損傷
● 余震で倒壊の恐れ

無理に動くほどリスクが増える。
学校や安全な場所で“朝まで待つ”判断ができるのが本物の防災力。


■まとめ|「友だちと助け合える高校生」は誰よりも災害に強い

高校生に必要なのは、特別な知識ではなく“仲間を守る行動力”。

● 居場所の把握
● 集合ルール
● 危険行動の制止
● 役割分担
● 最低限の応急手当
● パニック時の声かけ
● 無理に帰らず安全確保

この7つを知っているだけで、仲間全員の生存率は大きく上がる。

高校生は、災害時に最も行動できる世代。
知識よりも“助け合う準備”が、未来を守る防災力になる。

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