【元消防職員・防災士が解説】高校生が“学校で身につけるべき防災力”まとめ

高校生は1日の大半を学校で過ごす。
そのため、災害が起きたとき「学校でどう行動するか」は、命を守るうえで極めて重要だ。

ここでは、高校生が学校生活の中で身につけておくべき防災スキルをまとめる。


■① 教室の“安全ゾーン”を把握しておくのが命を守る

地震発生時、教室内は危険が多い。
だからこそ、自分の身を置く場所を決めておく。

● 窓ガラスから離れる
● ロッカー・棚から距離を取る
● 天井照明の真下を避ける
● 固定された机の下に避難する

「どこにいれば安全か」を知っているだけで、初動が大きく変わる。


■② 体育館・グラウンドは“災害時の危険ポイント”が多い

広い空間=安全というわけではない。

● 体育館の照明・スピーカーの落下
● 古い鉄骨の脱落
● ガラス窓の飛散
● グラウンドの地割れや液状化
● 防球ネット・照明塔の倒壊

体育中・部活中に地震が来た場合は
「屋根のない場所で、建物から距離を取る」が鉄則。


■③ 部活動中は“判断が遅れる危険”が最も高い時間帯

部活動は災害時にリスクが高い。
理由は「集中していて周囲に気づかない」から。

● 体育館の大音量で地震に気づかない
● 雨天練習で濡れた状態 → 低体温症
● 暗くなっても帰宅が遅れる
● SNS撮影目的で危険行動する部員が出る

部活中の“引き際の判断”が生存率を変える。


■④ 校舎の危険ポイントは“平常時に歩いて確認しておく”

高校は意外とリスクだらけ。

● 古い校舎の外壁・タイル
● 屋上からの落下物
● ガラスの多い生徒玄関
● 駐輪場の倒れた自転車
● 段差・傾斜の強い階段

災害時に危険な場所は、事前に知ることで避けられる。


■⑤ トイレ・更衣室・音楽室は“閉じ込めリスク”に注意

災害時に「助けが遅れやすい場所」がある。

● トイレ
● 更衣室
● 音楽室・視聴覚室(防音で気づかれにくい)
● 化学準備室(薬品転倒リスク)

こうした場所にいる時に揺れたら、まず“出口を確保”することが最優先。


■⑥ エレベーターは絶対に使わない(停電・閉じ込めの危険)

高校でもエレベーター付きの校舎が増えているが、
災害時に使えば高確率で閉じ込められる。

● 停電で停止
● 余震で故障
● 通信が届かず救助が遅れる

階段を使う癖をつけておくのが安全。


■⑦ 防災訓練を“本気でやる高校生”は生存率が上がる

多くの高校生は、防災訓練を軽く扱いがち。
しかし、災害は訓練とほぼ同じ動きを要求する。

● 避難経路を覚える
● しゃがむ姿勢を体で覚える
● 点呼・集合場所を理解する
● 火災時の煙避難を練習する

訓練を本気でやることで、本番に強くなる。


■⑧ 先生まかせにしない。“自分の判断”を持つのが防災力

高校生は「先生が何とかしてくれる」と考えがちだが、
災害は“個人判断”が最も重要。

● 地震 → 頭を守る
● 豪雨 → 川に近づかない
● 火災 → 煙を吸わない
● 停電 → 暗所を歩かない

自分の命は、自分で守る。


■⑨ 校内の“安全装備”の場所を把握しておく

● AEDの設置場所
● 消火器
● 非常口
● 非常階段
● 防災倉庫の位置

災害時にこれらを使える高校生は、周囲を助ける存在になれる。


■⑩ 友達同士で“災害ルール”を決めておくと混乱が減る

● 揺れたら机の下へ
● 火災時は煙を避けて低く
● 豪雨の日は寄り道しない
● 危険動画を撮らない
● SNSデマを拡散しない

友達同士の「安全行動ルール」が命を救う。


■まとめ|高校生活は“防災訓練の連続”。日常の行動が命を守る

学校は安全そうに見えるが、災害時のリスクは非常に高い。
だからこそ、次の力が高校生には必要。

● 教室の安全確保
● 体育・部活中の危険回避
● 校舎の危険エリア把握
● 閉じ込めリスクを理解
● 防災訓練を本気で行う
● 先生まかせにしない判断力
● 友達との防災ルール作り

高校の3年間で身につけた防災力は、一生あなたを守る武器になる。

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