【元消防職員・防災士が解説】幼児が“ひとりの時”にも命を守れる防災スキル|大人が必ず教えておきたい5つの行動

幼児は常に大人と一緒にいるとは限らない。
地震・火災・迷子・停電など、子どもが“ひとりになる瞬間”は必ずある。
その一瞬にどう動けるかで、命が守られるかが変わる。

ここでは、幼児でも身につけられる“シンプルで確実な防災行動”をまとめる。


■① 合言葉は「とまる・さがす・まつ」だけでいい

幼児向け防災は、複雑な説明はNG。
短くて覚えやすい“3ワード”を伝えるのが最強。

とまる(危険に近づかない)
さがす(大人を探す動作)
まつ(その場で動かず待つ)

避難所でも迷子でも、この3つでほぼ対応できる。


■② 地震のときは「丸くなる」動きだけ覚えれば十分

幼児に細かい避難方法を覚えさせる必要はない。
重要なのは、身体を守る“丸くなる”動作。

● しゃがんで頭を隠す
● 手で頭をしっかりおさえる
● 机があれば中に入る
● 周りを見て、倒れそうな物から離れる

「だんごむしポーズ」として遊びに取り入れると記憶に残る。


■③ 火災のときは「口をおおって歩く」だけできればOK

火災は大人でも怖い。だから行動は1つで十分。

鼻と口を手でおおう
● 身体を低くする
● 大人を探してゆっくり歩く

とにかく“走らせない”ことが命を守る。


■④ 迷子・はぐれた時は「明るいところで待つ」

災害時に迷子になると、幼児はパニックになりやすい。
だから行動をひとつに絞る。

「明るい場所でとまって、まつ」
● 人の集まっている所に向かわない
● 大きな声を出させない(不審者対策)
● 家族写真・迷子カードをポケットに入れると安心

避難所・イベント・ショッピングモールでも同じ行動でOK。


■⑤ 「知らない人についていかない」も災害時は特に重要

災害時は大人も混乱するため、幼児が流されやすい場面が多い。

教えるべきはこの3つ。

● 名前を呼ばれてもついていかない
● 困ったら“女性”か“制服の人”に話す
● それ以外には話さない

災害時の二次被害を防ぐための重要スキル。


■⑥ 幼児と約束しておきたい「3つの安全ルール」

幼児はルールを言葉より“型”で覚える。

家庭で必ず統一しておくと災害時に強い。

① 離れない(手をつなぐ)
② 走らない(ケガ防止)
③ 泣いてもいいから止まる(安全確保)

泣く=パニックではなく「危険から離れる合図」にできる。


■⑦ 家の中で“1人になりやすい場所”を減らす

幼児は次の場所でひとりになりやすい。

● トイレ
● 子ども部屋
● 脱衣所
● 階段付近
● リビングの隅

これらの場所は危険物・落下物を減らし、「ここは安全」と説明しておくと強い。


■⑧ 家族写真・名前カードは“幼児の命綱”になる

災害時の避難所では、幼児の特徴を即座に説明できるかが重要。

● 家族写真
● 子どもの顔写真
● 名前・年齢・連絡先のカード
● アレルギー情報

これらを“ポケットに常に入れておく”だけで迷子対応が格段に楽になる。


■まとめ|幼児に必要なのは「行動を3つだけ覚える」こと

幼児が覚えるべき防災行動はとてもシンプル。

とまる(動かない)
さがす(大人を探す)
まつ(明るい場所で待つ)

複雑な知識はいらない。
大切なのは、この3つの行動を日常の遊びの中で繰り返し練習すること。

幼児の命は、大人の準備と“ちょっとした工夫”で大きく守れる。

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