災害時、幼児が最も危険なのは「大人とはぐれること」。
泣き出して動けなくなったり、パニックで走り出すと命の危険につながる。
ここでは、幼児でも“落ち着いて行動できる子”を育てる防災教育をまとめる。
■① 迷子になったら“止まる”を徹底して覚えさせる
幼児は不安になると探し回り、逆に遠ざかってしまうことが多い。
そのため、最初に教えるべきは 「止まる＝安全」 の合図。
● 「その場で止まる」
● 「しゃがんで待つ」
● 「泣いてもいいけど動かない」
これを普段の生活で“ごっこ遊び”として繰り返すと、災害時も行動が安定する。
■② 親の“合流スポット”を家の外でも決めておく
災害では家の中だけでなく、公園・スーパー・園の帰り道でも被災しうる。
幼児には「場所の名前」で覚えさせず、
“見た目でわかるもの” で伝えるのが効果的。
● 大きな木の下
● 赤いポストの前
● 玄関の左の塀のところ
● 駐車場の白い線の端
言葉ではなく“目印”で覚えた子は、災害時に迷いにくい。
■③ 写真カードで“家族の顔・名前”を覚えさせる
災害時、本人で説明できない幼児は保護が遅れる。
そのため、次の習慣を取り入れておくのがよい。
● 家族の顔写真カードを作る
● 名前を言う練習
● 自分の名前・年齢を言えるようにする
幼児が自分の情報を言えることは、避難所や救護所で非常に重要。
■④ 幼児向け防災ポーチを“自分で持つ習慣”
幼児は物を持ち歩くのが好き。
これを防災教育に活かす。
● 自分のリュック
● ミニタオル
● 水筒
● ハンカチ
● 小さな非常食（ラムネ等）
普段から“自分の荷物”として持ち歩くことで、災害時の行動がスムーズになる。
■⑤ 親子で“抱っこ避難”と“手つなぎ避難”を練習する
災害時に幼児を抱えて動くのは想像以上に難しい。
特に階段や暗所は転倒リスクが高い。
おすすめの練習は次のとおり。
● 片手抱っこ＋反対の手で手すり
● 背中抱っこ（密着させる）
● 夜にライトを持って歩く練習
● 手をつないで歩く距離を毎週の散歩で伸ばす
“災害は暗闇で起きる”と考えて、夜の練習は必須。
■⑥ パニック対策は“声かけの型”を決めておく
幼児はテンションの変化に左右されやすい。
災害時、親が焦ると一瞬でパニックが伝染する。
だからこそ、事前に声かけを固定しておく。
● 「大丈夫、ママ（パパ）がいるよ」
● 「ゆっくり歩こう」
● 「手はなさないよ」
シンプルな言葉を決めておくことで、子どもは安心して行動できる。
■⑦ 絵本で“怖さを和らげて理解を深める”
幼児は「聞く」より「見る」「感じる」が学びに繋がる。
防災絵本は非常に優秀な教材。
● 地震絵本
● 水害絵本
● 火災避難絵本
● 避難所を扱う絵本
家族で読むと“防災を一緒に考える習慣”が自然と身につく。
■⑧ 親の行動が“子どもの行動の全て”
幼児の防災力は、親の行動コピー。
親が普段から次の行動をしていると、災害時の子どもは強くなる。
● 靴を揃える
● 物を片づける
● 危険な場所に近づかない
● 家のルールを守る
防災教育は生活習慣づくりに直結する。
■まとめ｜幼児が“迷わず動ける子”になるために
大切なのはテクニックより「習慣」。
● その場で止まる
● 離れない
● 手をつなぐ
● 目印で覚える
● 夜の避難を1回経験する
これらを遊び・散歩・生活の中で自然に身につけさせれば、
幼児は災害時でも“落ち着いて行動できる子”になる。
幼児の防災教育は、今日からできる小さな工夫だけで大きく変わる。
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