幼児は“予測不能に動く”ため、災害時に最も迷子になりやすい。
避難所でも、地震直後の自宅周辺でも、幼児の脱走・迷子は頻発する。
ここでは、幼児を安全に守るための“迷子をゼロにする防災教育”をまとめる。
■① 幼児の迷子は「走って逃げる」から起きる
幼児は“恐怖→走る”という本能的な反応をとる。
特に地震・火災・停電時は、親の想像以上のスピードで動き出す。
そのため、事前に教えるべきは次の3つだけ。
● 揺れたら“座る”
● 怖かったら“手を挙げる”
● パパ・ママが呼んだら“止まる”
走るのを止めるより、
“走り出さない状態を作る”方がはるかに成功率が高い。
■② 災害時の“抱っこ依存”は逆に危険
抱っこは慣れると“不安時の逃げ道”になる。
しかし災害現場では、
● 親が転ぶ
● 両手がふさがる
● 抱っこ中に子が暴れて落下
などのリスクが高い。
幼児には、以下の“密着姿勢”を教える方が安全。
● 親のズボンをつまむ
● 手首を握る
● 腕をつなぐのではなく“親の体に寄り添う”
抱っこ以外の安心姿勢を知っている幼児は迷子になりにくい。
■③ “マグネットワード”を作ると幼児が止まる
幼児は、普段使う言葉ほど効果が薄い。
災害時に“絶対に止まる合図”を新しく作っておくと反応が良い。
例：
● 「ピタッ！」
● 「ストップさん！」
● 「危険モード！」
家庭内だけの合図でいい。
普段から遊びの中で使い、反射レベルで止まるようにしておく。
■④ 避難中の行動範囲を“線”で決める
幼児には抽象的な説明は通じない。
目で見てわかる境界線を作ると迷子防止効果が非常に高い。
例：
● 家の前に“ここまで線”をテープで貼る
● 避難所でも親の足元に“安全ゾーン”を作る
● 公園にいる時も“木から外は行かない”ルール
幼児は“境界線があると動きが安定する”。
■⑤ 非常時に幼児が走り出す3大要因を知る
幼児が迷子になる理由はほぼ3つに集約される。
① 怖くて逃げたい
② 親を探して逆方向へ進む
③ 好奇心で向かう
これを先読みし、迷子の兆候を潰しておくことが大切。
● 手が離れたらすぐ戻す
● “探さなくていい”ことを事前に説明
● 視界の外に出ない遊びを災害前から習慣に
予測しておけば、迷子はほぼ防げる。
■⑥ 幼児用“身元カード”は最強の保険
迷子になった場合に備え、普段からバッグに次を入れておく。
● 名前（ひらがな）
● 年齢
● 親の名前
● 連絡先
● アレルギー
首から提げる必要はない。
ポケットやバッグに入れておくだけで、避難所で発見されたとき非常に助かる。
■⑦ 夜間の迷子は“光るグッズ”で防ぐ
停電中は幼児の姿が見えにくい。
次のような“光の目印”が迷子防止になる。
● 光るリストバンド
● 小型LEDライト
● 蓄光シールを靴に貼る
親が見つけやすくなるだけでなく、幼児自身も安心する。
■⑧ 幼児は“待つことができない”と理解する
被災すると、大人は荷物整理・情報確認に集中しがち。
その間に幼児は動いてしまう。
避難行動中は、
● 子どもを視界の中に置く
● 大人の作業は“後回し”
● 1人にしない
この3つが絶対。
大人が作業している間に迷子になるケースは非常に多い。
■⑨ 避難所でも“居場所の固定化”が迷子防止になる
避難所で起きる迷子は、
● トイレ
● 体育館の出入り口
● 外の水くみ場
これらにふらっと行ってしまうことで起きる。
避難したらまず最初に、
● 家族の座席位置（避難スペース）
● トイレまでのルート
● 戻る時の目印
を必ず決めておく。
幼児は“帰り道の導線”が分かれば迷子にならない。
■まとめ｜幼児を迷子にさせないのは“訓練×仕組み”
● 走り出さない構造
● 止まる合図
● 目印と光
● 線で行動範囲を固定
● 抱っこに頼らない避難姿勢
これらはすべて家庭で今日からできる迷子対策。
幼児は“正しく教えれば必ず守れる子になる”。
仕組みで安全をつくることが、災害時の最大の防御力になる。
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