【防災士が解説】防災担当の新人は報告書をどう書くべきか|最初に外さない書き方の判断基準

新しく防災担当になった時、
「報告書は何を書けばいいのか分からない」
「長く丁寧に書くべきか、短く要点だけでいいのか迷う」
「被害が未確認の段階で出してよいのか不安」
と感じる人は少なくありません。

結論から言えば、防災担当の新人が報告書を書く時に最も大切なのは、“きれいな文章”ではなく、“時刻・場所・被害・対応・未確認事項”を抜けなく分けて書くことです。
消防庁の災害概況即報の様式では、第一報は覚知後30分以内に、可能な限り早く、分かる範囲で記載し、確認が取れていない事項は「未確認」と書けば足りるとされています。
また、様式上も
発生場所、発生日時、被害、災害対策本部等の設置状況、活動状況、避難所設置状況
などが基本項目として並んでいます。

防災士として率直に言えば、新人が報告書で一番失敗しやすいのは、
全部分かってから書こうとすること
です。
元消防職員として現場や被災地派遣、LO対応を経験して強く感じるのは、災害時に役立つ報告書は、
完璧な報告書
ではなく、
初動判断に使える報告書
です。
だから新人のうちは、上手にまとめることより、まず判断材料をそろえる方が現実的です。

■① まず押さえるべきは「報告書の目的」

新人が最初に理解したいのは、報告書は作文ではないということです。

災害時の報告書の目的は、
・上司や本部が状況を判断する
・次の対応を決める
・関係機関と情報をそろえる
・後で検証できるよう残す
ことです。

消防庁の災害報告取扱要領でも、市町村は把握した被害状況等を都道府県へ報告し、都道府県は整理して消防庁へ報告するとされています。
つまり、報告書は
自分のため
ではなく
次に動く人のため
に書くものです。

防災士として言えば、新人の報告書で大切なのは、
読み手が次に判断しやすいこと
です。
元消防職員としても、現場では「よく書けた文章」より、
何が起きているかすぐ分かる報告
の方が価値があります。

■② 最初の報告書は「5項目」で十分

新人が最初に押さえるべきなのは、報告書の基本5項目です。

1. いつ

発生日時、覚知日時、報告日時です。

2. どこで

発生場所、対象施設、エリア名です。

3. 何が起きたか

災害種別、事故概要、被害概要です。

4. 今どう対応しているか

初動対応、出動状況、避難状況、対策本部設置状況です。

5. 何がまだ分かっていないか

未確認事項、追加確認事項です。

消防庁の即報様式でも、発生場所、発生日時、被害、活動状況、避難所設置状況など、ほぼこの流れで並んでいます。
防災士として言えば、新人の最初の報告書は、
この5項目がそろっていればかなり実務的
です。

■③ 第一報は「完璧」より「早さ」が大事

ここはかなり重要です。

消防庁の即報様式では、第一報は原則として覚知後30分以内に、可能な限り早く、分かる範囲で報告するとされ、確認が取れていない事項は「未確認」等を記入すれば足りるとされています。

つまり新人が最初に持つべき感覚は、
全部分かってから出す
ではなく、
分かったところまで早く出す
です。

防災士として率直に言えば、災害時に危ないのは誤字より、
報告が遅いこと
です。
元消防職員としても、第一報で本当に求められるのは、精密な確定値ではなく、
初動判断に必要な輪郭
です。

■④ 書き方の基本は「事実」と「評価」を分けること

新人の報告書で混ざりやすいのが、
事実と自分の感想です。

たとえば、
「大きな被害が出ていると思われる」
より、
「○時○分時点で建物外観にガラス破損を確認、人的被害は未確認」
の方が実務的です。

報告書ではまず、
・見たこと
・聞いたこと
・確認できたこと
を先に書きます。
そのうえで必要があれば、
・今後の懸念
・対応方針
を分けて書きます。

防災士として言えば、報告書で強いのは
意見が多い文章
より
事実が整理された文章
です。
元消防職員としても、現場報告で一番助かるのは、主観より客観です。

■⑤ 「未確認」は悪ではなく、重要な情報

新人は、
「未確認と書くと怒られるのでは」
と思いがちです。
でも実際には逆です。

消防庁の即報様式そのものが、確認が取れていない事項は未確認と書いてよいとしています。
つまり、
分からないことを分からないまま書くのではなく、
分からないと明示する
ことが正しいです。

たとえば、
・人的被害は未確認
・停電範囲は確認中
・避難者数は集計中
と書ければ十分です。

防災士として率直に言えば、災害報告で危ないのは、
未確認を隠すこと
です。
元消防職員としても、「まだ分からない」が書いてある報告の方が、次の確認指示を出しやすいです。

■⑥ 時系列で書くと、かなり読みやすくなる

新人の報告書は、文章で長く説明しすぎると読みにくくなります。
そんな時に強いのが、
時系列
です。

たとえば、

・9:05 地震発生
・9:08 庁舎内安全確認開始
・9:15 対策本部設置
・9:20 停電確認
・9:28 第一報提出

のように並べると、動きが伝わりやすいです。

内閣府の地方公共団体の業務継続手引きでも、各部門で実施すべき時系列の災害対応業務を明らかにすることが重要とされています。 oai_citation:1‡防災ポータル

防災士として言えば、新人の報告書は上手な文章より、
時系列の見える化
の方が実務で使えます。

■⑦ 新人が外しやすい3つの抜け

新人の防災報告書でよく抜けるのは次の3つです。

1. 報告時点

「いつの情報か」がないと、古い情報か最新情報か分かりません。

2. 被害なしの明記

異常がないなら「異常なし」と書いた方が伝わります。

3. 次の更新予定

「次報は○時予定」とあると、受け手が待ちやすいです。

防災士として率直に言えば、災害報告は
書いた内容
と同じくらい
書いていないこと
が大事です。
元消防職員としても、抜けが少ない報告は、それだけで信頼されやすいです。

■⑧ 新人向けの報告書テンプレはこれで十分

新人が最初に使うなら、次の型がかなり実務的です。

【件名】○○災害 第一報
【報告時刻】○月○日 ○時○分
【発生概要】○時○分、○○で発生
【被害状況】人的被害○○、物的被害○○、未確認○○
【対応状況】○○を実施、本部設置有無○○
【今後】次報予定○時○分、確認継続事項○○

この形なら、初動でも書きやすく、読み手にも伝わりやすいです。

防災士として言えば、新人の最初の報告書は
長文
より
定型
の方が強いです。

■⑨ まとめ

防災担当の新人が報告書を書く時に最も大切なのは、“きれいな文章”ではなく、“時刻・場所・被害・対応・未確認事項”を抜けなく分けて書くことです。
消防庁の災害概況即報の様式では、第一報は覚知後30分以内に、分かる範囲で、未確認は未確認と書いてよいとされ、様式には発生場所、発生日時、被害、活動状況、避難所設置状況などの項目が並んでいます。
災害報告取扱要領でも、市町村が把握した被害状況等を整理して報告する枠組みが示されています。 oai_citation:2‡消防庁

防災士として強く言えるのは、新人の報告書で一番大切なのは
上手く書くこと
ではなく、
次の判断に使える形で早く出すこと
だということです。
迷ったら、
・いつ
・どこで
・何が起きたか
・今どうしているか
・何が未確認か
この5つを書くのが一番現実的です。

出典:消防庁「第4号様式〔災害概況即報・被害状況即報〕」

参考:消防庁「災害報告取扱要領」

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