【元消防職員・防災士が解説】大型ショッピングモールで“地震が起きたとき”に絶対守るべき行動

大型ショッピングモールは天井が高く、ガラス・照明・看板・商品棚が多いため、
地震が発生すると「落下物」と「転倒物」が一気に危険になる。
特に週末やイベント時は人が多く、パニックによる二次災害も起こりやすい。

ここでは、ショッピングモールで地震に遭遇した時の命を守る行動をまとめる。


■① 揺れた瞬間は“しゃがむ・頭を守る・動かない”

広いフロアでも、まずはこの3つが基本。

● 頭を両腕で覆う
● カートや商品棚から離れる
● エスカレーター・階段にいる場合は“しがみつく”

走ると転倒や衝突が起きるため、揺れが収まるまで無理に動かない。


■② 近くの“落ちない場所”へ移動

揺れが続く中、数歩だけ安全な方向へ動くのはOK。

● ガラス面(ショーケース・窓)
● 高い商品棚
● 大型看板・照明
● ぶら下がりディスプレイ

これらの「落ちるもの・割れるもの」から距離を取る。
壁際や柱の近くは比較的安全。


■③ 揺れが収まったら“出口方向へ動き、店員の指示を聞く”

地震後は余震が必ず来るため、揺れが止まったら安全な移動を開始する。

● エレベーターは絶対NG
● エスカレーターは停止する可能性あり
● 店員の誘導放送が入るのを待つ
● 天井材・装飾の落下に注意

まずは“自分がいる階の出口”を目指す。


■④ ショッピングモールの大敵は“ガラス”と“吊り天井”

地震ではガラス破片が飛散し、吊り天井が落ちるケースが多い。

● ガラスの前に立たない
● 店舗外の吹き抜けは特に落下リスク
● フードコートの吊り照明に注意

天井を見上げながら移動し、危険な場所を避ける。


■⑤ 店舗内にいる場合は“店員の避難ルート”に従う

ショッピングモールでは、店ごとに避難ルートが決まっている。
店員は訓練を受けているため、その指示に従うのが最速で安全。

● 裏口の非常口
● スタッフ通路
● 誘導灯の矢印

店員が迷っている場合は、緑の非常口マークの方向へ。


■⑥ 火災報知器が鳴ったら“煙の方向と逆へ避難”

地震後は「電気火災」や「天井裏の火災」が起こりやすい。

● 匂い
● 煙
● 警報音

これらを感じたら、揺れが止まった直後でも即避難へ切り替える。
地震+火災は最悪のパターンで、判断の遅れが命取り。


■⑦ 群衆パニックを避けるため“走らない・押さない”

特に混雑している日のショッピングモールでは、
「押し合い・転倒」が最大のリスクになる。

● 子どもの手は絶対離さない
● ベビーカーは荷物扱いになるため抱きかかえる方が安全
● 高齢者の歩幅に合わせる

焦りは事故を生む。落ち着いたスピードで移動する。


■⑧ 車には戻らない、そのまま屋外へ

多くの人が“車を守ろうと”駐車場へ向かう。
しかし、これは最も危険な判断。

● 立体駐車場は倒壊リスク
● 車内は逃げ道がない
● 余震でコンクリ片が落ちる

車は後で取りに行けば良い。
命の安全を優先。


■⑨ 屋外に出たら建物から離れ、倒壊物に警戒

ショッピングモールの外壁・看板・ガラスは巨大で、
地震では“外側へ落下”することがある。

● 建物から数メートル以上離れる
● ガラスの破片に注意
● 電柱・看板が傾いていないか確認

安全が確保できたら、家族と合流する場所へ移動する。


■まとめ|ショッピングモールの地震は“落下物・ガラス・パニック”が最大の敵

地震が起きたら、次の順で行動する。

● しゃがむ・頭を守る
● 落下物から離れる
● 揺れが収まったら出口方向に移動
● エレベーターは使わない
● 火災の気配があれば即避難
● 走らず、押さず、周囲と歩幅を合わせる
● 車には戻らない
● 屋外に出たら建物から離れる

ショッピングモールは楽しい場所だが、
災害時には“危険が集中する場所”でもある。
正しい行動を知っておけば、あなたと家族を確実に守ることができる。

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