大型ショッピングモールは、家族連れ・高齢者・観光客が多く、非常時には人が集中しやすい空間。
そのため一度災害が起きると、パニック・情報不足・避難遅れが同時に発生しやすく、被害が大きくなりやすい。
ここでは、ショッピングモールで災害が発生した時に“迷わず動ける避難行動”をまとめる。
■① 地震:最初の10秒で行動が決まる
大型施設内で地震が起こると、落下物・照明・ガラス破片が最大の危険になる。
● まず「頭を守る」
● 落ちてくるものの少ない通路側へ移動
● 商品棚・ガラスショーケースから離れる
● エスカレーター・階段は揺れが収まるまで乗らない
建物は倒れにくくても、天井材の落下が非常に危険。
「しゃがむ・頭を守る・動かない」が基本。
■② 揺れが収まったら、出口方向へ“早めに移動”
多くの人がその場で様子を見るが、これが避難遅れにつながる。
● 店員の指示が出る前でも出口側へゆっくり移動開始
● 非常口マーク(緑の人のマーク)を最優先で探す
● 人が集まる中央フロアを避ける
● バックヤード(裏の避難通路)が最短の安全ルート
大型施設は広いので、「早く動いた人」ほど安全。
■③ 火災時:煙を見たら“逆方向へ逃げる”が鉄則
ショッピングモールで最も怖いのは火そのものではなく煙。
● 天井方向の黒い煙は危険度MAX
● 火元を見に行かない
● 煙が迫ってきたら姿勢を低くする
● ハンカチ・袖で鼻と口を覆う
煙を吸うと、数十秒で視界喪失→転倒→群集事故につながる。
「煙から遠ざかる」だけで助かる確率は数倍に上がる。
■④ 停電時:真っ先に“光のある方向”を確認
ショッピングモールは停電に弱い。
● 非常灯(緑・白)の方向へ移動
● エレベーターは絶対に使わない
● エスカレーターは停止する可能性あり
● 自動ドアが開かない場合はスタッフが手動で開放
停電は“群集パニック”が起こりやすいため、落ち着いて光へ向かう。
■⑤ 子ども連れは必ず“体の前”に抱える
避難中の一番の事故は「転倒」。
● 手をつなぐより、抱える方が安全
● ベビーカーは放置してOK(命が最優先)
● 子どもを見失いそうなら、しゃがんで目線を合わせる
小さな子どもがいる家庭は、抱える=命を守る最短ルート。
■⑥ 駐車場には絶対戻らない
災害時の「駐車場に戻る」は死亡リスクが跳ね上がる。
● 火災時→煙がこもり逃げ道がない
● 地震時→照明・壁材の落下
● 混雑で車が動かない
車は後で取りに帰ればいい。
命は戻らない。
■⑦ 屋外へ出たら建物から10〜20m以上離れる
ショッピングモールの外壁・看板・ガラスは落下しやすい。
● 建物沿いは危険
● 駐車場入口付近にも近づかない
● 人が密集するエリアを避ける
建物から離れ、風上側へ移動するのが最も安全。
■⑧ 店員の避難誘導は“最優先で従う”
ショッピングモールの店員は“避難訓練の参加者”。
客より安全ルートを把握している。
● 店員が扉を開けたらすぐ進む
● 行列にならず、一定の距離を保って歩く
● 指示が矛盾しても慌てず最も近い出口へ
プロの誘導は命を守る最短ルート。
■⑨ 多層階モールは“縦より横へ逃げる”を優先
火災や地震時は、階段移動より“水平移動”の方が安全。
● まず同じフロアの非常口を探す
● 無理に階段へ集中しない
● 横移動→出口→屋外が最短ルート
階段に人が殺到すると転倒事故が起こりやすい。
■まとめ|大型ショッピングモールでは“早く・低く・逆方向へ”
避難のポイントはたった3つ。
● 地震→落下物から離れ、早めに出口方向へ
● 火災→煙から遠ざかる(逆方向・低姿勢)
● 停電→光のある方向へ、階段使用
そして、
「車は捨てて命を守る」
これが大型ショッピングモール避難の鉄則。
知っているかどうかで、生存率は大きく変わる。
いざという時に家族を守れるよう、今日のうちに覚えてほしい。

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