【元消防職員が解説】自動火災報知設備が鳴ったらどう動くべきか|現場で迷わない判断基準

建物で突然ベルや警報音が鳴った時、
「誤作動かもしれないから少し様子を見るべきか」
「受信機のどこを見ればいいのか」
「先に復旧してしまっていいのか」
と迷う人は少なくありません。

結論から言えば、自動火災報知設備が鳴った時に最も大切なのは、“誤報かもしれない”と先に考えることではなく、“まず火災と考えて、受信機で場所を確認し、現地確認と通報を並行して進めること”です。
東京消防庁の資料では、ベルが鳴った時は、煙が出ていないか、焦げ臭いにおいがしないかなどを確認し、火災の場合は速やかに避難し119番通報すること、火災かどうか分からない場合も119番通報してそのように伝えることが示されています。さらに、復旧ボタンを先に押すと火災の発生場所が分からなくなるので注意と案内されています。 (tfd.metro.tokyo.lg.jp)

元消防職員として率直に言えば、自動火災報知設備が鳴った時に一番危ないのは、
「たぶん誤報だろう」と最初の数分を失うこと
です。
東日本大震災当時に東京で被災し、その後の被災地派遣やLO対応でも強く感じたのは、火災対応は設備の知識より、最初の判断の早さで差が出るということです。特に建物内では、確認が遅れるほど初期消火、避難誘導、通報の全部が遅れやすくなります。だから、自動火災報知設備が鳴ったら、まずは火災前提で動く方が現実的です。

■① 最初にやるべきは「受信機で場所を確認すること」

警報が鳴った時に最初にしたいのは、
受信機の地区表示を確認すること
です。

東京消防庁の資料では、受信機は火災の発生場所を表示する機器であり、ベルが鳴った時は設置場所を確認しておくこと、さらに復旧を先に押すと発生場所が分からなくなると示されています。 (tfd.metro.tokyo.lg.jp)

防災士として言えば、自動火災報知設備が鳴った時に最初に必要なのは
音を止めること
ではなく、
どこが鳴っているかをつかむこと
です。
元消防職員としても、受信機を見ずに現場へ向かうと確認が遅れやすいです。

■② 「まず復旧」はかなり危険

ここはかなり重要です。

東京消防庁の資料では、復旧するボタンを押すと火災の発生場所が分からなくなるため注意が必要とされています。さらに、音響停止だけで復旧しないようにし、非火災であることを確認してから復旧する流れが示されています。 (tfd.metro.tokyo.lg.jp) (tfd.metro.tokyo.lg.jp)

防災士として率直に言えば、自動火災報知設備で一番やってはいけないのは
確認前の復旧
です。
元消防職員としても、復旧を急ぐと火元情報を消してしまい、その後の確認も通報も遅れやすくなります。

■③ 火災か不明でも「確認」と「通報」を止めない

東京消防庁は、ベルが鳴った時、
火災かどうか分からない場合でも119番通報してそのように伝える
よう案内しています。 (tfd.metro.tokyo.lg.jp)

つまり、
・煙がある
・焦げ臭い
・現地の状況がまだ不明
なら、
分からないままでも通報する
方が現実的です。

防災士として言えば、自動火災報知設備対応で一番危ないのは
はっきりしてから通報しよう
と考えることです。
元消防職員としても、火災は数分で状況が変わるので、不明時点での通報は十分現実的です。

■④ 現地確認は「一人だけで抱え込まない」方がいい

東京消防庁の訓練資料では、受信機に火災表示を認めた時は、防災センター側に要員を残して情報収集や通報を行い、他の者が消火器やマスターキー等を持って現場へ急行する流れが示されています。 (tfd.metro.tokyo.lg.jp)

つまり、
・受信機側
・現地確認側
を分けた方が対応しやすいです。

防災士として言えば、現場対応で大切なのは
誰か一人が全部やること
ではなく、
受信機確認、現地確認、通報を分けること
です。
元消防職員としても、その方が火元確認も避難誘導も早くなります。

■⑤ 火災なら初期消火と避難誘導を並行して考える

東京消防庁の資料では、火災だった場合は、
速やかに119番通報し、できる範囲で初期消火、避難誘導も行う
とされています。放送文例でも、火災確認後は避難誘導班が避難誘導を実施し、なおエレベーターは使用できませんと案内されています。 (tfd.metro.tokyo.lg.jp) (tfd.metro.tokyo.lg.jp)

防災士として率直に言えば、自動火災報知設備が鳴った後に一番大切なのは
確認して終わること
ではなく、
火災ならすぐ次の行動へつなげること
です。
元消防職員としても、初期消火と避難誘導は時間差で考えるより並行で考えた方が現実的です。

■⑥ 非火災でも「原因確認後に復旧」が基本

東京消防庁の復旧フローチャートでは、非火災であることを確認した後に、主音響や地区音響を停止し、原因を特定してから復旧操作を行う流れが示されています。発信機ランプが点灯している場合は押しボタンの確認、点灯していない場合は感知器作動の可能性が高いと案内されています。 (tfd.metro.tokyo.lg.jp)

防災士として言えば、誤報対応で大切なのは
音を止めること
より
なぜ鳴ったかを残すこと
です。
元消防職員としても、原因を見ないまま復旧すると、再鳴動や本当の火災時の混乱につながりやすいです。

■⑦ 被災地経験から見ても「最初の1〜2分」がかなり大事

被災地派遣やLO対応で強く感じたのは、
火災対応は
大きな設備知識
より
最初の1〜2分の動き
で差が出やすいということです。

たとえば、
・受信機を見ずに復旧してしまう
・確認を一人で抱え込む
・火災か不明で通報を遅らせる
と、その後の全部が遅れやすいです。

元消防職員として率直に言えば、自動火災報知設備が鳴った時に一番大切なのは
慌てないこと
ではなく、
順番を間違えないこと
です。

■⑧ まとめ

自動火災報知設備が鳴った時に最も大切なのは、“誤報かもしれない”と先に考えることではなく、“まず火災と考えて、受信機で場所を確認し、現地確認と通報を並行して進めること”です。
東京消防庁の資料では、ベルが鳴った時は、煙や焦げ臭いにおいの有無を確認し、火災の場合は速やかに避難し119番通報すること、火災かどうか分からない場合も119番通報してそのように伝えることが示されています。さらに、復旧ボタンを先に押すと火災の発生場所が分からなくなるため注意が必要とされています。 (tfd.metro.tokyo.lg.jp)

元消防職員として強く言えるのは、自動火災報知設備対応で一番大切なのは
誤報前提で様子を見ること
ではなく、
火災前提で場所確認と通報を早く始めること
だということです。
迷ったら、
・まず受信機で場所確認
・復旧は後回し
・火災か不明でも119番通報
この順番で動くのが一番現実的です。

出典:東京消防庁「確認しよう 自動火災報知設備」

参考:東京消防庁「自動火災報知設備が鳴ったら…(復旧操作フローチャート)」

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