【元消防職員・防災士が解説】昼間の災害で“家族が自宅に一人でいる”ときの具体的な行動ガイド

地震や豪雨は、家族が仕事・学校へ行っている「昼間」に発生しやすい。
そのとき、自宅に“家族がひとり残っている”ケースは特にリスクが高い。

ここでは、昼間に家族が自宅にいるときの行動を、わかりやすく整理する。


■① まずは「倒れない・落ちない・動かない」場所に避難する

地震直後は、まず安全地点へ移動するだけでいい。

● テーブル下
● 廊下
● 物が少ない部屋
● 窓・家具・家電から遠い場所

揺れが続く間の移動は危険。
“安全地点へ避難してじっとする”が命を守る最優先行動。


■② 揺れが収まったら“家の危険点”を確認する

以下の4つは最低限チェックする。

● 火の使用状況(ガス・IH・ストーブ)
● ガラス破片の散乱
● 家具の転倒・固定のゆるみ
● 漏電ブレーカーの確認

特に火災は二次被害の最大要因。
揺れの後、火の元確認を必ず行う。


■③ 外に出るべきか “家に留まるべきか” の判断基準

家にひとりでいる場合、この判断が最も重要。

●● 家に留まる方が安全なケース

・ 家屋が倒壊していない
・ ガス漏れの匂いがしない
・ 火災が発生していない
・ 瓦の落下・電柱の倒壊が周囲で見られない

●● 外に避難すべきケース

・ 建物が傾いている
・ 壁に大きな亀裂
・ ガス臭
・ 近隣で火災が発生
・ 津波警報が出ている(沿岸部の場合)

迷ったら 靴を履いて外へ避難 が基本。


■④ 津波警報が出た場合は“迷わず高台へ”

沿岸地域では、家族がひとりでもとにかく高台へ逃げる。

● 家より高い場所
● 立体駐車場の上階
● 近くの避難タワー
● 縦方向の避難(3階以上)

“迷う時間=命の危険”。
連絡より避難が先。


■⑤ 停電時はブレーカーを必ず落とす

通電時に火災が多発するため、停電になったらブレーカーを落とすのが鉄則。

● 停電 → ブレーカーを落とす
● 電力復旧後 → 安全を確認してON

家に一人のタイミングほど、この行動が重要。


■⑥ 家族への連絡は後でOK。まずは安全確保

災害直後の安否確認は不要。
むしろ危険な行動を誘発する。

家族が自宅にいても、次のように伝えておくと良い。

● すぐ連絡はしなくてよい
● 安全が確保できたら連絡すれば十分
● 家の中から無理に外へ出ない
● 指定避難所は後から合流する

“生き延びることが最優先”と共有しておく。


■⑦ 家族に教えておくべき“ひとり行動マニュアル”

自宅にひとりの家族が取るべき行動はシンプルでよい。

【自宅に1人の時の行動 5ステップ】

  1. 揺れたら安全地点へ避難
  2. 揺れが収まったら火災・ガス・ガラスを確認
  3. 建物に危険があれば靴を履いて外へ
  4. 津波警報ならとにかく高台へ
  5. 安全が確保できてから家族に連絡

この5つだけ覚えていれば、災害時の行動は大きく間違えない。


■まとめ|家族が自宅にひとりでも、正しい行動を知っていれば守れる

大切なのは、
“災害直後に何を優先するかを家族全員が知っておくこと”。

昼間の災害は、家族がバラバラだからこそ、
シンプルで確実な行動ルール が命を守る。

今日のうちに家族で共有しよう。

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