キャンピングカーは防災に強い一方、
使い方を誤ると大きな事故や健康被害につながる。
ここでは、災害時にキャンピングカーを安全に使うための注意点をまとめる。
■① 車中泊避難は“エコノミークラス症候群”に注意
災害時の車中泊では、深刻な健康リスクが生まれる。
● 長時間の同じ姿勢
● 水分不足
● 緊張と疲労による血流悪化
これらが重なると、血栓ができて命にかかわる。
対策
・足を伸ばせる寝姿勢を確保
・こまめに水分補給
・1～2時間おきに軽く歩く
・シートを倒すだけの就寝は避ける
キャンピングカーはベッドがあるため改善しやすいが、油断は禁物。
■② 換気不足は“一酸化炭素中毒”の危険性あり
災害時、寒さ対策として次の行為は非常に危険。
● 車内でカセットコンロ
● やかんでお湯を沸かす
● FFヒーターを換気不足で使用
● エンジンかけっぱなし
一酸化炭素は無色無臭で気づけない。
対策
・調理は必ず換気を確保
・ヒーター使用時はCO警報器を設置
・エンジンをかける時間は最小限
・マフラー付近を塞がない
特に積雪時は、エンジン停止中でも排気管が雪で詰まり、中毒の危険がある。
■③ 長期停車は“盗難・防犯リスク”が上昇する
災害時は治安が低下しやすい。
キャンピングカーは外から見て“生活設備が満載の車”と分かるため狙われやすい。
対策
・明るい場所に停める
・複数台で停車する（家族・友人）
・貴重品は見える場所に置かない
・車外に高価なギアを置かない
・最低限の防犯ブザー
安心して休むためにも、防犯対策は必須。
■④ 排水タンク・トイレは“衛生管理”を怠ると危険
水不足が続くと、排水の処理やトイレの管理が難しくなる。
● 悪臭
● 雑菌の繁殖
● ノロウイルスなどの感染リスク
対策
・トイレは凝固剤＋袋で処理
・排水タンクはこまめに捨てる
・車内の調理は清潔第一
・生ものを無理に保存しない
災害時の体調不良は命に関わるため、衛生管理は最優先。
■⑤ “ガソリン不足”はキャンピングカー最大の弱点
どれだけ設備が整っていても、ガソリンがなければ車は動かない。
大規模災害ではガソリンスタンドが長蛇の列になる。
対策
・普段から半分以下にしない
・遠出の前に必ず満タン
・非常時の走行は最小限
・ポータブル電源＋ソーラーで電力負担を軽減
“燃料の管理＝キャンピングカーの防災力”と言っても過言ではない。
■⑥ 危険地域への“安易な移動”は命取り
キャンピングカーが便利だからといって、
大雨・洪水・津波時に安易に車で移動すると逆に危険になる。
● 冠水道路で動けなくなる
● 土砂崩れに巻き込まれる
● 落石・倒木で通行不能
● 渋滞で逃げ遅れる
対策
・警戒レベル3の段階で早期避難
・夜間の移動は避ける
・河川沿い・山沿いは走らない
・キキクル・道路通行情報を確認
“早めに動くこと”が唯一の対策。
■⑦ 生活のしすぎで“車内熱中症・低体温症”が起きる
キャンピングカーは快適だが、夏と冬は過酷。
● 夏→車内の熱気がこもる
● 冬→寝ている間の急激な温度低下
対策
・夏は窓の断熱＋扇風機＋換気
・冬は電気毛布＋多重の寝具
・就寝前後に温度チェック
・体調不良の兆候を見逃さない
命にかかわるので、季節対策は重要。
■まとめ｜キャンピングカーは強力な防災装備。しかし“安全に使う知識”があってこそ本領を発揮する
キャンピングカーは災害時に頼もしいが、
正しい防災知識がなければ逆に危険が増える。
■災害時に必ず守るべきポイント
● 換気を徹底して一酸化炭素中毒を防ぐ
● 寝姿勢と水分補給で血栓症を防ぐ
● ガソリン残量は常に半分以上
● 危険地域への移動は早めに・慎重に
● 排水・トイレの衛生管理を怠らない
● 防犯意識を高める
キャンピングカーを持っている人はもちろん、
購入を検討している人も、
“災害時の使い方”を理解すれば防災力は一気に上がる。
次の災害に備えるために、今日から安全な運用方法を取り入れてほしい。
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