【元消防職員・防災士が解説】キャンピングカー避難の“よくある失敗例”とその回避策|知らずにやると危険が増えるポイント

キャンピングカーは災害時に非常に強力な避難手段になる。
しかし、準備不足のまま使うと「便利さより危険が勝つ」ケースも多い。

ここでは、被災地で実際に見てきた
“キャンピングカー避難の失敗例”と“確実に回避する方法”をまとめる。


■① 駐車場所の確保をしていない

もっとも多い失敗がこれ。

● 商業施設の駐車場が満車
● 避難所の車中泊エリアが早期に満員
● 公園や道の駅が封鎖されていた
● 立体駐車場が地震で使用不可

「とりあえず行けばなんとかなる」は最悪の選択。

【回避策】
● 平常時から候補を複数確保
● 昼と夜で安全な場所を分けておく
● 大規模災害では“移動できるだけで勝ち”と心得る

事前に場所を知らない人ほど、避難が遅れる。


■② ガス・電気・水の消費バランスを誤る

キャンピングカー避難で多いトラブルが“エネルギー管理”。

● 電気を使いすぎてバッテリー切れ
● カセットガスが3日持たない
● 水を使いすぎて生活が破綻

これは命に直結する失敗。

【回避策】
● 電気は「夜のために温存」が基本
● ガスは1日2本以上を想定
● 水は1人1日3L+調理用2L

エネルギー管理ができる家庭は長期避難に強い。


■③ 車内の温度管理ができず体調を崩す

特に多いのが「寒さ」「暑さ」に対する油断。

● 冬:結露と低温で体調悪化
● 夏:車内の熱こもりで熱中症
● 夜の急激な冷え込みで睡眠不足

【回避策】
● 夏→窓用断熱材・サンシェード必須
● 冬→電気毛布より寝袋が強い
● 扇風機・換気扇併用で熱気を逃がす

温度管理は“命の管理”。


■④ トイレ対策が甘い

被災初日から多発するのが“トイレ問題”。

● 簡易トイレが少なすぎる
● 使い方を知らずに車内が臭う
● 排泄物が溜まって衛生面が悪化

【回避策】
● 1人1日5回 × 家族人数 × 7日分を備蓄
● トイレ袋を二重に
● 凝固剤を多めに常備

キャンピングカー避難で最も失敗しやすい項目。


■⑤ 夜の安全対策をしていない

避難場所により「治安リスク」が発生する。

● 車外を誰かが歩く
● 知らない人が近づく
● 深夜に騒音トラブル

【回避策】
● ドアロック必須
● 窓はカーテンで目隠し
● 人通りが見える位置に駐車
● 集団の中に停めると安全性アップ

“治安の確保”は災害時ほど重要。


■⑥ 食事が単調になって心が折れる

避難生活の失敗は「メンタル崩壊」が多い。

● 冷たい食事続き
● 水だけの簡易食
● 子どもの食欲低下

【回避策】
● 1日1回だけ“温かい食事”を作る
● レトルト食品でバリエーションを確保
● 小さなデザートで気力を維持

温かさは“心の防災”。


■⑦ 車内が物で溢れ、生活しにくくなる

災害時は荷物が一気に増える。
準備していないと一瞬で生活空間が崩壊する。

【回避策】
● 荷物は“寝るスペースを最優先”
● 出す物としまう物を分ける
● 車内に必要な物だけ配置

整理整頓ができる人ほどストレスが少ない。


■⑧ 周囲との距離感を間違えてトラブルになる

車中泊では人間関係も重要。

● 近すぎる距離
● 子どもの声に苦情
● 発電機の騒音で衝突

【回避策】
● 必ず“適度な距離”を取る
● 夜は静かに
● 互いに干渉しない

災害時は周囲も余裕がない。
トラブルはもっとも避けるべき。


■まとめ|キャンピングカー避難は「知識×準備」で成功率が決まる

失敗例を避けるだけで、避難生活の質は圧倒的に上がる。

● 駐車場所
● 電力・水・ガス
● トイレ
● 温度管理
● 生活動線
● 人間関係

この6つを制する人が、キャンピングカー避難を成功させる。

次の記事では、
キャンピングカー避難に必要な“最強の持ち物リスト”
を解説する。

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