【元消防職員・防災士が解説】キャンピングカー避難で“本当に持つべき装備”|被災地で役立った必須アイテムまとめ

キャンピングカーは災害時に強力な避難手段になるが、
「何を積んでおくか」で生存率は大きく変わる。
実際の被災地の支援経験から、“本当に役立ったものだけ”を厳選してまとめる。


■① 水の確保は最優先|“積めるだけ積む”が正解

キャンピングカー避難では、飲料水・生活用水が最初に不足する。

● 飲料水:2L × 家族人数 × 7日
● 生活用水:20〜40L
● 折りたたみウォータータンク
● ポリ袋+湯せん調理用の鍋

車は重くなっても走れる。
「水は積みすぎくらいでちょうどいい」のが災害。


■② カセットコンロ+ガス30本|最強の調理セット

災害時、火を使えるかどうかで生活の質が激変する。

● カセットコンロ(風に強いタイプ)
● ガス缶30本(1週間分の目安)
● 固形燃料
● 紙皿・紙コップ・割り箸
● 鍋+深めのフライパン

特に乳幼児がいる家庭では、温かい食事が心の支えになる。


■③ ポータブル電源×2台以上|バッテリー切れが最大の敵

長期避難では、車のサブバッテリーだけでは絶対に足りない。

● 中容量ポータブル電源(500Wh級)
● 大容量ポータブル電源(1,000Wh級)
● 折りたたみソーラーパネル
● 急速充電ケーブル類

バッテリーが尽きた瞬間、
冷蔵庫・照明・スマホ・暖房が全て停止する。
命に関わるため“複数台”が鉄則。


■④ 車内環境を守る装備|湿気・匂い・温度の対策

車は小さな箱。数日で環境が悪化する。

● USB扇風機
● 断熱サンシェード
● 吸湿シート
● 超強力消臭袋(BOS袋)
● 小型ランタン(LED)

結露と臭いは、長期避難の“精神的ダメージ”になるため最優先で対策。


■⑤ 衛生用品が命を救う|災害では病院が機能しない

車中泊が続くと、不衛生による体調不良が増える。

● 使い捨てトイレ(30回分以上)
● ウェットティッシュ(大量)
● ドライシャンプー
● 使い捨て手袋
● ゴミ袋(45L × 30枚)

特にトイレ対策は車内避難の生命線


■⑥ 防災ラジオ・オフライン地図|情報を失うと支援を逃す

長期避難で最も怖いのは「情報弱者」になること。

● 防災ラジオ(手回し+ソーラー)
● スマホのオフライン地図
● モバイルバッテリー
● 地域の災害アカウントのスクショ保存

支援物資や給水、入浴支援は“情報を取れる人”から届く。


■⑦ 衣類・寝具の“かさばらない装備”が最強

キャンピングカーは広いようで狭い。

● 圧縮袋でまとめた衣類
● 夏冬どちらでも使える寝袋
● アルミブランケット
● 毛布2〜3枚

災害時に疲労を回復するには「質の高い睡眠」が必要。


■⑧ 外でも過ごせる装備|車内オンリーは限界が来る

車内だけで生活すると、ストレスが爆発する。

● タープ
● アウトドアチェア
● 折りたたみテーブル
● レジャーシート

生活スペースを“車外にも広げる”ことで、家族の負担が激減する。


■⑨ 子どものストレスケア用品

特に家族避難では“子どもの精神状態”が最重要。

● お菓子の備蓄
● 絵本・塗り絵
● iPadやSwitch(充電対策必須)
● イヤーマフ(車外の騒音対策)

災害時は「遊び=心の安全」。


■⑩ 重要書類セット|支援を受ける時に必須

避難生活では、行政手続きが多い。

● 保険証
● 運転免許証
● 通帳のコピー
● 罹災証明の案内
● 家族の連絡先リスト

紙+スマホの両方で保管するのが安全。


■まとめ|キャンピングカーは“装備力”で生存率が変わる

キャンピングカーは非常に強力な防災ツールだが、
「何を積んでいるか」で性能の8割が決まる。

特に重要なのは以下の5つ。

● 水・食料・ガス
● ポータブル電源
● トイレと衛生用品
● 車内環境の維持
● 子どものストレスケア

これらが揃っていれば、数日〜1週間以上の避難も現実的になる。

キャンピングカーを持っている家庭は、
今日から1つずつ装備を追加して、
“本当に災害に強い移動式シェルター”へ進化させてほしい。

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