キャッシュレスが当たり前になり、
財布の中に「現金ゼロ」という人も増えてきた。
しかし、元消防職員として強調したいのはこれだ。
災害が起きた瞬間、キャッシュレスは真っ先に止まる。
地震・停電・通信障害はセットで起きる。
そのとき、スマホも決済端末も機能しなくなるケースは多い。
そこで今回は、
“通信が死んだときにキャッシュレス派が生き残る方法”
をまとめて解説する。
■■なぜ災害でキャッシュレスが止まるのか?
① 停電でレジが停止
POSレジ・決済端末は電源が必要。
非常用電源がなければ即アウト。
② 通信障害でQR決済が不可
PayPay・楽天Pay・クレカのオンライン認証は
通信がないと成立しない。
● 回線混雑
● 基地局停止
● 断線
● 停電による機器故障
これらは災害時に高確率で発生する。
③ 店舗が「現金のみ」に切り替える
過去の災害では
「QR・クレカ全停止」
の張り紙が大量に貼られた。
店舗側も混乱するため、
最も確実な“現金”へ切り替わる。
■■キャッシュレス派が取るべき3つの対策
① “最低限の現金”を分散して持つ
推奨セットはこれ↓
● 千円札 × 10〜15枚
● 500円 × 4枚
● 100円 × 5枚
● 10円 × 10枚
とくに10円玉は災害時に価値が跳ね上がる
(公衆電話・コインシャワーなど)。
※財布ではなく“非常財布”に入れておくのがポイント。
② 交通系ICカードを常に2,000〜3,000円チャージ
QRよりICカードのほうが復旧が早い。
● 電車が早期に再開
● バスが一部で運行
● コンビニがICのみ復活
というケースは多い。
災害時の移動も確保できる。
③ オフラインで使える決済手段を組み合わせる
● 現金
● ICカード(残高式)
● 会社のプリペイドカード
この3段構えが最強。
QRやクレカは“余力があれば”でいい。
■■通信障害が起きた瞬間の行動マニュアル
① スマホの通信状況をチェック
● 圏外
● 4Gのまま変化なし
● 送信中にクルクル表示
これらが続く時点で、QR系はほぼ使えない。
② 現金で必要物資を最優先確保
最優先は3つ↓
● 飲み物
● カセットガス
● モバイルバッテリー
これらは停電と同時に一瞬で売り切れる。
③ ATM停止に備えて“買えるうちに買う”
ATMは停電・通信で止まる。
「今は並べばおろせる」
=「今すぐ並ぶ」が正解。
災害時は後回しが命取り。
④ 移動はICカードで確保
復旧初期はICだけ使える交通機関が多い。
● 徒歩では遠い
● ガソリンスタンドは混雑
● 車は渋滞で動かない
だからこそ“ICで動く”が生存率を高める。
■■過去の災害で本当に起きたこと
● QR決済が24時間全滅
● クレカのオンライン認証ができず“現金のみ”
● POSレジが停止して手計算販売
● 交通系ICだけが生き残る
● ATMが動かず現金が引き出せない
● スーパーが千円札以外拒否
すべて実例だ。
“キャッシュレスは災害に強い”は誤解であり、
むしろ“キャッシュレスは災害に弱い”。
■■まとめ|キャッシュレス派こそ“現金の防災”が必要
キャッシュレス化が進むと、
人は「現金を軽視」するようになる。
しかし災害では逆になる。
キャッシュレスが死んで、現金が生き残る。
だからこそ、
● 千円札10〜15枚
● 小銭
● ICカード
● 非常財布
この4点セットを揃えておくだけで、
“通信が死んだ日”でもあなたは困らない。
キャッシュレス時代の新しい防災。
今日から始めておくのが、最も確実な備えだ。

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