【元消防職員・防災士が解説】防災×デジタル・サイバーセキュリティ③|災害時に“絶対にやってはいけない”デジタル行動

地震・台風・停電などの混乱時には、
“いつもの判断力”が大きく低下する。

そのすきに
・SNSデマ
・偽サイト
・乗っ取り
・詐欺メッセージ
が一気に広がり、災害とサイバー攻撃が同時に襲う。

ここでは、災害対応の現場で実際に起きた事例を踏まえて
「災害時に絶対に避けるべきデジタル行動」をまとめる。


■① 不明なURLを「とりあえず開く」

災害時に最も増えるのが、支援を装った偽サイト。
特に次の文言には要注意。

● 「緊急のお知らせです」
● 「至急アクセスしてください」
● 「支援金の申請はこちら」
● 「避難情報の確認はこちら」

急いで情報が欲しい心理につけ込み、
・個人情報
・認証コード
・クレカ番号
を盗む仕組みになっている。

URLは必ず「公式発表」から辿ること。


■② SNSの“拡散”に参加する

災害時のSNSはデマが爆発的に増える。

● 「〇〇ダムが決壊」
● 「ショッピングモールが火災」
● 「有名人が避難所に物資を送るらしい」

ほとんどが無根拠。

誤情報を拡散すると、
「避難判断を誤る人を増やす」という重大な二次被害を生む。

正しい情報は
・自治体
・気象庁
・消防/警察
これだけで十分。


■③ 公共Wi-Fiにつなぐ

避難所・コンビニ・カフェのWi-Fiは、
災害時ほど攻撃者がまぎれ込む。

● 通信を盗み見られる
● パスワードを抜かれる
● “偽Wi-Fi”に自動接続される

特に、SNSログイン・ネット銀行・クレカ決済は絶対NG。
使うなら最低限、ログイン操作はしない。


■④ バッテリー0%まで使い切る

災害時にスマホが落ちたら、次のすべてができなくなる。

● 正確な避難情報の取得
● 家族への連絡
● 偽通知の判別
● GPSでの場所確認

スマホ0%=「情報遮断」。
命の判断が遅れる。

● 30%以下になったら節電モード
● 不要アプリの終了
● 画面輝度OFF
を徹底すること。


■⑤ 災害ボランティア勧誘のDMに反応する

災害直後は
「ボランティア募集」
「寄付のお願い」
などのDMが大量に届く。

その多くは“善意を装った詐欺”。

● 寄付金の送金先が個人口座
● 謎の暗号資産を要求
● 本物の団体名を騙る偽サイト

寄付や支援は必ず
・赤十字
・自治体
・公的な募金窓口
この3つだけに絞る。


■⑥ SNSアカウントを“パスワードそのまま”で使う

災害時ほど、乗っ取り用の総当たり攻撃が増える。

● LINE・Instagram
● Gmail
● X(旧Twitter)

災害情報に振り回されている隙に不正ログインされると、
あなたの名前でデマを拡散される危険もある。

必ず
● パスワード10桁以上
● 2段階認証ON
を設定。


■⑦ 家族間で“デマ共有”してしまう

避難中の家族LINEが、デマの温床になることがある。

● 「友達の知り合いが言ってた」
● 「SNSで見た」
● 「近所の噂」

これを家族に流すと、
“誤った避難行動”が連鎖する。

家族には必ず
「公式情報以外は信じないルール」
を共有しておく。


■⑧ 充電ケーブルを他人から借りる

他人のケーブルの中には
「データ抜き取り機能」が入ったものが存在する。

● 充電のふりをして情報をコピー
● 不正アプリを自動インストール
● 位置情報を盗む

避難所ほど“貸し借り”が乱発するので特に危険。

充電ケーブルは、
・自分専用
・新品
・認証付き
の3つを揃えておく。


■まとめ|災害時は「情報の正しさ」が生存率を決める

災害で命を守るには、
● 避難行動
● 初期対応
● 家族連携
と同じくらい
デジタル防災が重要になる。

● 不明URLを開かない
● SNSで拡散しない
● 公共Wi-Fiに近づかない
● バッテリーを絶対切らさない
● 偽ボランティアに応じない

災害は「情報の質」で生存率が変わる。
正しい情報を取り、誤情報を避け、デジタルの被害から家族を守ろう。

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