【元消防職員・防災士が解説】防災×デジタル・サイバーセキュリティ④|災害時に“家族を守るための”スマホ設定チェックリスト

災害時、スマホは「命をつなぐ道具」になる。
だが、停電・通信障害・サイバー攻撃が重なると、
普段の設定のままでは家族と連絡が取れなくなることがある。

ここでは、災害時に必ず役立つ“スマホの安全・実用設定”を、わかりやすくまとめる。


■① 緊急時の位置情報共有をONにする

家族と連絡が取れない状況を最も減らすのが、位置情報共有。

● iPhone:位置情報共有の「常に許可」
● Googleマップ:位置共有設定
● LINE:位置情報の一時共有

災害時は「電話はつながらない」が、「位置情報は届く」場合が多い。
場所が分かるだけで、家族の不安は大幅に減る。


■② 通信障害に備えて“オフライン地図”を入れておく

大規模災害ほど、通信は不安定になる。
その状態で避難経路を調べようとしても、地図が表示されない。

● Googleマップのオフライン保存
● 登山用地図アプリのダウンロード
● 自宅〜避難所までを事前に保存

“電波がない環境でも道がわかる”ことは、生存率に直結する。


■③ バッテリー節約の設定を事前にまとめておく

スマホのバッテリーは災害時の生命線。
節電設定をすぐ呼び出せるようにしておく。

● 低電力モード
● 画面輝度を最小
● Wi-Fi/BluetoothのOFF
● 不要アプリの削除

特に、ライト・カメラの誤作動は大きな消耗につながる。


■④ SNSの災害速報を“公式だけ”に揃える

SNSは便利だが、災害時はデマが激増する。
有益なのは、次の「公式アカウント」のみ。

● 気象庁
● 国土交通省(川の防災情報)
● 自治体の危機管理アカウント
● 消防・警察

情報を絞るだけで、判断の迷いがなくなる。


■⑤ 安否確認アプリを家族で統一する

どのアプリを使うか家族でバラバラだと、
“安否確認ができない”という最悪の事態が起きる。

おすすめは次の3つだけ。

● 災害用伝言ダイヤル
● LINE安否確認
● 防災速報アプリ

災害時に複数使うと混乱するため、
“家族で1つに統一”することが重要。


■⑥ スマホの「緊急連絡先」を災害モードに整える

救急・消防・家族・職場の番号はすぐ開けるようにしておく。

● 緊急連絡先に家族を登録
● 医療情報を入力(持病・薬・アレルギー)
● 健康アプリで緊急カード情報を作成

避難所や救護所で、スマホだけで必要情報を提示できる。


■⑦ 2段階認証+バックアップコードを必ず保存

災害時ほど乗っ取り攻撃が増える。
ログイン不能になると、詐欺拡散の踏み台にされてしまう。

● 2段階認証をON
● バックアップコードを紙で保管
● 重要アカウントだけ優先設定

“災害でスマホが壊れても復元できる状態”を作っておく。


■⑧ 写真・動画のバックアップは“自動”にする

被災状況の記録は、
保険申請・被害届・罹災証明に極めて重要。

● iCloud自動バックアップ
● Googleフォト自動同期
● Wi-Fiが不安定でも送信できる設定

スマホが壊れても、証拠データを守れるようにしておく。


■⑨ 災害モードで使えるアプリを1フォルダにまとめる

緊急時にアプリを探す時間は命取り。

● 懐中電灯
● 防災速報
● ラジオアプリ
● オフライン地図
● メモ(状況記録用)

“災害フォルダ”を作っておくだけで、スマホが災害ツールに変わる。


■まとめ|スマホの設定=命を守る準備

災害対応は次の3つで決まる。

● 連絡が取れる
● 情報が受け取れる
● バッテリーが持つ

スマホを整えるだけで、
家族の安否確認・避難判断・生活維持のすべてが安定する。

今日10分の設定が、
大災害のときに家族の命を守る大きな力になる。

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