【元消防職員・防災士が解説】防災×コンテンツ④|“家族を守る行動”を引き出すストーリー設計術

防災情報は「伝えるだけ」では足りない。
本当に必要なのは、家族や地域の“行動を変える仕掛け”だ。
そのために最強の武器になるのが ストーリー(物語)

ストーリーは、文字や数字よりも深く人の心に入り、
災害時の行動を決める“判断力”まで変えてくれる。


■①「もし今日、災害が起きたら?」の物語が行動を変える

防災で一番効果が高いのは“自分ごと化”。
そのためには、リアルなストーリーが必要。

● 夜・豪雨の中でサイレンが鳴る
● 停電で真っ暗な部屋
● スマホの電池が15%しかない
● 子どもを抱えて水が迫る

こうした状況を想像すると、「備えよう」と人は動く。

ストーリーで“現実の感情”を体験させるのが、行動の第一歩だ。


■② 登場人物は“自分の家族”にすると刺さる

防災ストーリーで最も効果が高いのが、

自分の家族を主人公にした物語

例:
● 小学生の子どもが一人で下校中に地震
● 高齢の親が自宅で停電に
● 妻(夫)が職場から帰れなくなる
● ペットが家に取り残される

家族を登場させると、想像力が一気に現実へ近づく。


■③ ストーリーは“行動を分岐”させると理解が深まる

人は「比較」すると判断力が高まる。

● 正しい行動ルート
● 間違った行動ルート

この2つの分岐ストーリーを作ると、理解が一気に深くなる。

例:豪雨時の避難
A:様子見して逃げ遅れる
B:水位情報を見て早めに動いて助かる

行動の違い=生死の違い
これを明確に示すことが、防災教育の核心。


■④ ストーリーは“感情”が動かないと意味がない

ストーリーで大事なのは「心を動かすこと」。

● 不安 → 解決
● 迷い → 決断
● 危険 → 安心
● 絶望 → 希望

感情が動くと「行動しないといけない」という本能が働く。

例:
停電で真っ暗な中、子どもが泣く → ランタンを備える
水が玄関まで来て母親が不安 → ハザードマップを見る習慣ができる

感情を動かす防災は、行動が必ず伴う。


■⑤ 物語の最後は“今すぐできる行動”で締める

防災ストーリーは、最後の1行で効果が決まる。

おすすめは次の3つ。

● 今すぐ家族と避難場所を確認する
● スマホに災害アプリを入れる
● 今週中に水とガスを買い足す

行動が明確だと、人はすぐに動く。


■⑥ 読みやすい“防災ストーリー構成テンプレ”

防災コンテンツで使える構成はこれ。

① 日常
② 危険の訪れ
③ 選択(正しい行動と誤った行動)
④ 結果
⑤ 今やるべき行動

この流れは、人が最も「理解→行動」に向かいやすい。


■⑦ 実際の災害エピソードを入れると説得力が爆増する

元消防職員として断言できる。
実際のエピソードは、読者の行動を劇的に変える。

例:
● 家具転倒で動けなくなった事例
● 夜の豪雨で逃げ遅れた実例
● 停電時の事故
● 断水でトイレが使えず苦労した家庭

“架空”より“現実”のほうが、行動の原動力になる。


■まとめ|物語は“命を守る行動装置”

防災×コンテンツにストーリーを入れることで、

● 自分ごと化が進む
● 行動の理由が腹落ちする
● 家族の防災力が上がる
● 記憶に残りやすい
● いつかの瞬間に必ず思い出せる

防災で本当に大切なのは、
「行動できるかどうか」。

ストーリーは、あなたと家族の命を守る
最強の行動スイッチになる。

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