過去の災害では、停電が長期化するたびに
「エネルギーは集中型では限界がある」
という現実が突きつけられてきた。
巨大発電所から広範囲に送電する仕組みは、
一度トラブルが起きると広域で止まる弱点がある。
これからの日本を守る鍵は
分散化されたエネルギーシステム にある。
■① 大規模停電が“社会全体の機能不全”を引き起こす
停電が長引くと、家庭以上に
都市全体が麻痺する。
● 信号停止で交通が崩壊
● 病院・介護施設の機能低下
● 工場の稼働停止
● 物流の停滞
● ATM・キャッシュレスが利用不能
電気が止まるということは、
“都市が停止する”ということ。
だからこそ、電力システム全体の強靭化は避けられない。
■② 分散型エネルギーは“広域停電”を防ぐ最強の仕組み
分散型エネルギーとは、
電気を一か所に依存せず複数で支える仕組み。
● 太陽光発電(家庭・事業所)
● 蓄電池(家庭・地域)
● EV(非常用電源として活用)
● 地域マイクログリッド
● コージェネレーション(熱電併給)
これらが相互に補完しあうことで、
「部分的に停電しても全体は止まらない」
状態をつくることができる。
■③ 家庭のソーラー+蓄電池が“国土強靭化の一部”になる時代
これからは、
家庭の設備が国の防災力を支える時代。
● 停電中でも家の電気を維持
● 携帯・情報が確保できる
● 電気が使える家は近隣の支援拠点に
● 冷蔵庫の維持で食品ロスを防げる
家庭の1台の蓄電池が、
災害時には“地域インフラの一部”になる。
■④ EV(電気自動車)は“動く発電所”として活躍する
近年注目が高いのが、EVの非常用電源利用。
● 車で発電・蓄電
● 家に電気を逆流させるV2H
● 移動しながら電源を供給
● 避難所・病院・高齢者宅への支援も可能
特に地震による停電では、
ガソリン供給が止まるためEVの価値がさらに高まる。
■⑤ 地域マイクログリッドで“都市を小さな単位で守る”
マイクログリッドとは、
地域ごとに完結した電力網。
● 学校+避難所
● 商業施設
● 公共施設
● 病院
● 住宅街
これを一つの“自立した小さな街”として動かす。
災害で外部の電力が止まっても、
地域内の電源で最低限の生活が維持できる仕組み。
これが広がれば、日本全体の停電リスクが大幅に減る。
■⑥ エネルギーの多様化が災害に強い国をつくる
強靭なエネルギーとは、
「一つに依存しない」こと。
● 石油
● ガス
● 再エネ(太陽光・風力・水力)
● 蓄電池
● 地熱・バイオマス
複数を組み合わせることで、
“どれかが止まっても他でカバーできる国”になる。
■⑦ まとめ|分散化が日本の命を守る
これからの日本の防災は、
集中から分散へ大きくシフトしていく。
● 家庭のソーラー
● EVの非常電源
● 蓄電池の普及
● マイクログリッドの拡大
● 再エネの多様化
これらはすべて
“国土強靭化を支える柱”。
災害に強い国は、
エネルギーが止まらない国。
次は、国土強靭化の視点から
「防災×通信・ネットワーク」を深掘りする。

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