災害に強い国づくりの中でも、
最も生活に直結するのが 住宅とまちの強靭化。
耐震・耐水・停電対策が整った家は、
避難所に行かず“在宅避難”で生き延びる力を持つ。
ここでは、国土強靭化の中核となる
「住宅・まちづくり」の視点をまとめる。
■① 在宅避難が“基本戦略”になる時代
現代の大規模災害では、
すべての住民を避難所に収容することは不可能。
● 避難所の容量不足
● 感染症リスク
● プライバシー問題
● 高齢者・子育て家庭の負担
だからこそ国は、
“自宅で安全に生活を続けられる家” の整備に
重点を置き始めている。
■② 住宅耐震化は“最大の命綱”
地震で亡くなる方の大半は、
建物倒壊や家具転倒による圧死。
耐震化は最強の防災対策。
● 旧耐震基準の家は特に危険
● 耐震診断 → 補強の流れが重要
● 固定家具で転倒リスクを大幅減
● 工務店・自治体の補助制度を活用
家が倒れないこと=生存率が最大化する。
■③ 水害に強い家づくりが必須になる
気候変動で水害は確実に増えている。
● 浸水想定区域を“必ず確認”
● 電気設備を1階から上階へ移動
● 止水板・土のうで浸水を遅らせる
● 排水ポンプ・簡易水嚢の活用
● 車の水没防止(早めの移動)
水害はスピードが命。
“家を守る準備”が被害を分ける。
■④ 長期停電に耐える家が求められる
地震・台風では長期停電が起きやすい。
● 太陽光パネル
● 蓄電池
● 非常用コンセント
● カセットコンロ・固形燃料
● 断熱性能の高い住宅
電気が止まると生活が止まる。
エネルギーの自立は、防災そのもの。
■⑤ 高齢化社会では“住まいの安全設計”が命を守る
高齢者が増える日本では、
住宅内の事故そのものが災害となる。
● 段差解消
● 手すり設置
● 夜間照明で転倒防止
● トイレ・浴室のバリアフリー化
● 非常持ち出しは玄関付近に固定
災害時だけでなく“日常の安全”も国土強靭化である。
■⑥ まち全体が防災力を持つ
防災に強いまちには、共通点がある。
● 河川・土砂の危険区域に家を建てない
● 広い道路で消防・救急が通りやすい
● 電柱地中化で倒壊リスクを減らす
● 公園が避難スペースになる
● 商業施設・学校が防災拠点化
“まちの設計”が災害対応のレベルを決める。
■⑦ マンションの防災性能が年々重視されている
新築マンションは防災設備が強化されている。
● 免震・制震構造
● 防災倉庫
● 非常用井戸
● 非常電源
● 防災情報の掲示
高層マンションの弱点(停電・断水)の対策が
選ばれる条件になりつつある。
■⑧ 自宅を“ミニ避難所化”する発想が重要
在宅避難では、家そのものが避難所になる。
● 3日〜1週間の食料と水
● トイレ用品の確保
● 部屋の安全化
● 断水・停電対策
● 情報収集手段の確保
自宅が強ければ、避難所が混雑せず
地域全体が助かる。
■⑨ 自治体の“防災まちづくり”にも参加すべき
まちの強靭化は行政だけで完結しない。
● 住民説明会
● ハザードマップ案の意見
● 地域防災訓練
● 自主防災組織
住民の声が、
「安全なまちづくり」を後押しする。
■まとめ|強い家と強いまちが“最大の命の備え”
国土強靭化は、
大きなインフラ整備だけではない。
● 家が倒れない
● 水害に耐えられる
● 長期停電に対応できる
● 高齢者に優しい
● まち全体が避難力を持つ
これが揃ったとき、
「災害に強い日本」が実現する。
次は、国土強靭化の視点から
“防災×経済・ライフライン保全”を深掘りする。

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