災害時に最も起こりやすく、最も危険なのが 通信ブラックアウト(完全に通信不能になる状態)。
地震・台風・豪雨・土砂災害などで、通信インフラが一気に止まると、正しい判断ができず避難が遅れてしまう。
ここでは、家庭でもできる“実践的な情報通信対策”をまとめる。
■① 通信ブラックアウトは必ず起きる前提で考える
大規模災害時には、ほぼ確実に通信障害が起きる。
● 基地局の停電で圏外
● 光ファイバーの断線
● 通信機器の浸水
● 人口集中での輻輳
● SNS・ニュースサイトへのアクセス殺到
過去の災害では、どのキャリアも例外なく影響を受けている。
“通信は必ず止まる”と考えて準備するのが防災の鉄則。
■② 家庭で準備する“5つの通信ルート”
通信手段を1つに依存すると、災害時に完全に孤立する。
家庭では「5つのルート」を確保しておくことが重要。
① スマホ本体+予備バッテリー
最優先の基本装備。
大容量の20,000mAh以上は必須。
② マルチキャリア(主+サブ回線)
1つが圏外でも、別キャリアが生きている可能性が高い。
● 主回線:docomo/au/SoftBankのいずれか
● サブ回線:povo・楽天・mineoなど格安eSIM
eSIMなら無駄な荷物も増えず運用しやすい。
③ 公衆Wi-Fi(避難所・災害用Wi-Fi)
“00000JAPAN”は大規模災害時に無料開放される。
ただし通信は暗号化されないため、個人情報の送信は避ける。
④ ラジオ(電池式・手回し)
通信がすべて止まっても、ラジオは最後まで残る情報源。
AM/FM/ワイドFMに対応しているものを選ぶ。
⑤ 車(シガーソケット充電・カーナビTV)
車は“移動できる電源”。
停電時でもスマホを充電し、ワンセグやラジオで情報収集できる。
■③ 情報アプリの“事前設定”で生存率は変わる
スマホにアプリを入れるだけでは不十分。
災害前に“設定まで完了”して初めて役に立つ。
以下は全家庭で必須。
● Yahoo!防災速報
● 気象庁アプリ
● 河川水位アプリ(川の防災情報)
● NHKニュース・NHK防災
● 自治体の防災メール
● オフライン地図(Google MapsのDL機能)
設定だけで避難判断のスピードが変わる。
■④ 家族連携は“通信なしで動けるか”が基準
災害時、家族と連絡が取れないのは普通。
そこで重要なのが“通信不要の連携計画”。
● 避難場所は第一・第二・第三まで決める
● 子どもだけで避難するルール
● 車が浸水した場合の集合場所
● 夜間・停電時の動線ルール
● 祖父母への連絡手段
特に大災害では、連絡が取れないまま12〜24時間過ぎることも珍しくない。
だからこそ“連絡がなくても行動できる計画”が命を救う。
■⑤ スマホの“節電モード”は災害時の常識
災害時はスマホの電池の消耗スピードが普段の2倍以上になる。
必ず次の節電策を使う。
● 画面の明るさを最低に
● 機内モード+必要な時だけ通信
● バックグラウンド通信OFF
● 位置情報を必要時以外切る
● 使わないアプリを終了
バッテリー1つで半日〜1日寿命が変わる。
■⑥ 停電時の“家庭Wi-Fiは使えない”を理解する
意外と知られていないが、
停電すると家庭のWi-Fiは 100%停止する。
● ONU(光回線終端装置)が停止
● ルーターが停止
● そもそも電柱側の設備が止まる
停電時に通信を確保するには、
スマホ回線 or 車 or モバイルルーターが必要。
“Wi-Fiは災害に弱い”というのは覚えておきたい。
■まとめ|通信対策は「命のインフラ」そのもの
災害時に通信が確保できるかどうかで、
避難判断・安全確保・家族連携がすべて変わる。
● スマホは複数キャリア
● バッテリーは多め
● ラジオは必須
● 車も情報源
● 家族計画はオフライン基準
情報通信は“ぜいたく品”ではなく、命を守る装備。
今日から1つずつ整えていくことで、あなたと家族の生存率は大きく上がる。

コメント