大規模災害では「停電」と「通信障害」が同時に起こる。
この2つが重なると、正しい判断ができず、家族の安否確認すらできなくなる。
だからこそ家庭では“多重の通信バックアップ”が必要となる。
ここでは、停電・圏外時でも生存率を上げるための具体的な通信対策をまとめる。
■① 停電が長引くと“通信障害の連鎖”が起きる
スマホが圏外になるのは基地局の故障だけが原因ではない。
実際には、以下のような“連鎖”で通信は止まる。
● 停電 → 基地局バッテリー切れ
● 光回線設備が停止 → 家庭Wi-Fiも停止
● 避難者集中で通信輻輳
● SNSアクセス増 → サービス側ダウン
● 電気がない → 充電できず情報遮断
特に巨大地震では、
“48時間以上の広域通信不能”は十分ありえる。
だからこそ、通信は“一点依存しない”ことが生存率を左右する。
■② 最優先は「電源の確保」。通信は電気がなければ成立しない
通信対策=電源対策と言っても過言ではない。
最低限そろえておきたいものは以下の通り。
● 大容量モバイルバッテリー(20,000mAh以上×家族人数分)
● 車のシガーソケット充電
● ソーラーパネル(折りたたみ式100W前後)
● モバイルバッテリー内蔵ライト
● 単一・単三乾電池
通信より先に“電気を確保すること”が命を守る。
■③ 家庭で通信をつなぐ“3つのバックアップ回線”
通信障害はキャリアごとに発生する。
だから複数の回線を持つことがベスト。
① メイン回線(docomo/au/SoftBank)
通信エリア・安定性は強いが、災害時は輻輳の影響を受けやすい。
② サブ回線(楽天・povo・mineoなど)
eSIMで簡単に追加できる。
キャリア障害時の“逃げ先回線”として最強。
③ 公衆Wi-Fi(災害用Wi-Fi 00000JAPAN)
広域災害時に自動開放される。
暗号化されないため、個人情報の送信は避ける。
■④ 圏外でも家族と合流できる“オフライン家族ルール”
通信が切れても“全員が同じ行動を取るルール”を作っておく。
● 家族の集合場所を3つ設定(第一・第二・第三)
● 災害が昼か夜かで行動を変える
● 自宅に戻るか、避難所へ向かうかの判断基準
● 「親が迎えに来る」の神話を捨て、子ども単独避難を許可
● 高齢者は“早期避難”をデフォルト化
災害の本質は「通信できなくても動けるか」。
これが家族の生存率を決定する。
■⑤ スマホの“バッテリー節約術”は必須スキル
長時間の停電ではスマホの電池が命綱。
1%を無駄にしないための設定がこちら。
● 機内モード+必要時だけ通信
● 低電力モード常時ON
● 画面の明るさ最低
● 不要なアプリ全終了
● GPS・Bluetooth・AirDrop OFF
● 通知OFF(SNSが電池を消費する)
これだけで持続時間が2倍以上変わる。
■⑥ “通信できなくても情報が取れる仕組み”を作る
通信ブラックアウト時、スマホだけでは危険。
だからこそ通信に依存しない情報源が必要になる。
● 電池式ラジオ
● 手回しラジオ
● ワンセグ付きの古いスマホ
● 車のラジオ・カーナビ
● 防災行政無線の受信アプリ(事前DL)
通信ゼロでも「最低限の生存に必要な情報」は入手できる。
■⑦ SNSは“情報収集”よりも“誤情報の拡散源”になる危険もある
災害時のSNSは、メリットよりデメリットが増える。
● 誤情報が爆速で拡散
● AIによる嘘画像・デマ投稿
● パニック系の投稿が心理を乱す
● 激しい通信争奪戦でデータ通信量を浪費
SNSは「見る量を減らす」ことも防災スキルの1つ。
■まとめ|通信対策は“多重化”がすべて
災害時の通信は必ず止まる。
完全に止まる前提で準備しておくことが命を守る最強策。
● 電源が最優先
● 複数キャリアでバックアップ
● 公衆Wi-Fiも選択肢
● オフライン家族ルールを整備
● ラジオと車を使う
● バッテリー節約は必須スキル
通信の準備は“防災の土台”。
今日から整えておけば、あなたと家族の生存率は必ず上がる。

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