【元消防職員・防災士が解説】防災×スポーツウェア②|避難を“速く安全にする服装の整え方”

災害時に「どれだけ早く・安全に動けるか」は命を左右する。
そのカギとなるのが 服装の最適化=スポーツウェア化 だ。

普段着は日常には便利だが、災害には向いていない。
伸びない・濡れる・重い・乾かない。
一方でスポーツウェアは、まさに“災害に強い服”。

この記事では、避難をもっと安全にするスポーツウェアの整え方をまとめる。


■① 避難服は“走れる格好”が基本

避難ではこういう動きが一気に押し寄せる。

● 小走りで移動
● 段差を超える
● 水たまりを避ける
● 荷物を持ちながら動く

普段着のデニムや綿パンは、動きが制限されるうえ濡れると最悪。
走れない=避難が遅れることに直結する。

スポーツウェアは、

● ストレッチ性
● 薄手で軽量
● 走っても疲れにくい設計

という点で、避難の“体の負担”を大幅に減らす。


■② アウターは“防風・撥水”が命を守る

災害は悪天候とセットで起きる。

● 豪雨の中で避難
● 強風下で移動
● 雨に濡れた状態で停電に突入

こうした場面でスポーツ用アウターは圧倒的に有利。

● 防風:体温低下を防ぐ
● 撥水:濡れても冷えない
● 軽量:荷物を持っても疲れにくい

冬場の停電は低体温症のリスクが高く、
“寒さを防げる服”は安全確保の大前提になる。


■③ インナーはコットンより“吸汗速乾”

避難中に汗をかく → 濡れた衣服 → 一気に冷える。
この流れを避けるには、インナーの素材選びが重要。

スポーツウェアのインナーは、

● 吸汗性
● 速乾性
● 体温調整のしやすさ

が圧倒的。

普段着の綿素材は濡れたまま乾きにくく、
特に冬は体温が急激に奪われるため危険。


■④ 下半身は“動きやすいパンツ”が正解

避難の際、下半身の動きやすさは予想以上に重要。

● 長距離を歩く
● 段差を超える
● 階段を駆け上がる
● 荷物を持った状態で踏ん張る

スポーツウェアのパンツは、

● ストレッチ
● 軽量
● 乾きやすい
● 汚れが落ちやすい

という避難特化の性能を持ち、
動きやすさが段違い。


■⑤ 夜の避難を見据えた“視認性”が必須

夜間の停電は本当に見えない。
避難路は真っ暗、車も見えない、人も見えない。

スポーツウェアの多くは、

● 反射材
● 光るライン
● 明るい配色

が施されており、“他者から見える”ことで安全性が高まる。

暗闇の避難では命を守る装備になる。


■⑥ 普段着+1セットで十分に備えられる

スポーツウェアの良いところは
普段着としても使える=無駄にならないこと。

● 通勤のサブ
● ランニング用
● 子どもとの外遊び
● 災害時の避難着

日常と非常時を両立できる。

「いざという時のための1セット」
これだけで防災力が大きく上がる。


■まとめ|避難の服は“性能の良い日常服”で準備する

防災は道具だけでなく、服装の整え方でも生存率が大きく変わる。

スポーツウェアは、

● 動ける
● 走れる
● 濡れても乾く
● 軽い
● 夜でも見える
● 普段使いできる

という“避難のための服”として最適。

今日から、防災リュックとセットで
1式だけスポーツウェアを準備しておくことをおすすめする。

コメント

タイトルとURLをコピーしました