【元消防職員・防災士が解説】防災×スポーツウェア③|子どもを守るための“動ける服装”の選び方

災害時、子どもは大人より行動が遅く、転倒しやすく、視界も狭い。
そのため「子どもが安全に動ける服装」を整えておくことは、防災対策の中でも非常に重要だ。
特にスポーツウェアは、軽さ・動きやすさ・乾きやすさに優れ、避難の質を一気に高めてくれる。

ここでは、子どもの安全を最大限に高めるスポーツウェアの選び方を紹介する。


■① 子どもの避難は“大人以上に動ける格好”が必須

子どもは大人より体力が低いうえ、
● 小走りが続かない
● 重い服だとすぐバテる
● 雨や風の環境に弱い

という弱点がある。

スポーツウェアは軽量で、ストレスなく動ける。
特に避難路の段差や階段では、動きやすさが安全を左右する。


■② ランニングシューズが最強の「避難靴」

避難で最も事故が多いのは“足元”。
サンダル・長靴・革靴では圧倒的に危険。

ランニングシューズは、

● グリップが強い
● 軽くて走れる
● クッション性が高い

ため、子どもの転倒リスクを大幅に減らす。

普段から“学校・習い事にも使える1足”として準備しておくと良い。


■③ 雨・風に強いアウターが命を守る

気温が低い時期の避難では、アウター性能が生死を分ける。

スポーツウェアのアウターは、

● 撥水
● 防風
● 軽量

という「濡れない・冷えない」構造が強み。

夜間の避難や冬の災害ほど、アウターの品質が子どもの体力維持に直結する。


■④ インナーは“速乾タイプ”で体温を守る

子どもは汗をかきやすく、汗冷えによる体温低下が危険。
速乾インナーなら、

● 汗をすぐ吸い取る
● 乾きが早い
● 冬場の冷えを防ぐ

といった機能で、避難中も体温を維持しやすい。

綿のインナーは濡れると乾きにくく、冷えやすいため避けたい。


■⑤ 明るい色・反射材付きで“夜間の安全確保”

夜、停電中の避難では、子どもが見えなくなる。
スポーツウェアの多くは反射材がついており、暗闇でも視認性が高い。

● 車からの視認性が向上
● 大人が子どもを見失いにくい

これは地味だが重大な安全機能となる。


■⑥ 子ども用の“避難セット服装”を1式作っておく

準備すべきはたった1式。

● ランニングシューズ
● スポーツインナー
● 速乾パンツ
● 撥水アウター

これだけで、「災害に強い子どもの服装」が完成する。

普段使いできるため無駄にならず、成長でサイズが変わる子どもでも管理しやすい。


■まとめ|子どもの防災は“服装を整える”だけで一気に強くなる

子どもは大人の倍のスピードで疲れ、天候の変化にも弱い。
だからこそ、避難で動ける服を準備しておくことが、命を守る最大の投資になる。

スポーツウェアは、

● 動きやすい
● 軽い
● 冷えにくい
● 転倒しにくい
● 夜でも見える

という、子どもの避難に最適な性能が揃っている。

今日からできる防災として、
「子ども用・動ける服装セット」を1つ準備しておくことをおすすめする。

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