日本は「海に囲まれた災害大国」。
地震・津波・台風・高潮・離岸流など、海の災害リスクは日常のすぐそばにある。
しかし多くの人が、海の危険を“なんとなく”でしか理解していない。

ここでは、海に関わる災害リスクを正しく知り、命を守るための基本をまとめる。

■① 海の災害は「予兆が少ない」ことが最大の危険

海の危険は、山や川より予兆が少ない。

● 津波は“揺れを感じなくても”突然来る
● 離岸流は一見すると普通の波
● 高潮は満潮＋台風で一気に押し寄せる
● 海風の強さは急に変わる

予兆が見えづらいからこそ、「知識」が命を守る鍵になる。

■② 津波リスク：揺れの大小ではなく“逃げる”が正解

津波の特徴は「小さな揺れでも巨大化する可能性がある」こと。

● 長い横揺れ（遠くの大地震）
● 小さな揺れでも長時間続く
● 海岸で急に潮が引く

いずれも津波のサイン。

特に“海の近くにいるときの地震”は、迷わず即避難が命を守る最短ルート。

離岸流（リップカレント）は、海岸から沖に向かって流れる強力な流れ。

特徴は、

● 見た目で気づきにくい
● 一瞬で沖へ流される
● 大人でも抗えない速さ

逃げる方向は“横”。
沖に逆らって泳ぐと消耗して溺れてしまう。

海水浴に行く人は必ず理解すべき基本知識だ。

高潮とは、海面が異常に上昇して陸地が浸水する現象。

原因は、

● 台風の低気圧で海面が吸い上げられる
● 強風で海水が陸に押し寄せる
● 満潮時間と重なると危険度MAX

都市部の湾岸エリアでは甚大な被害につながる。

事前に高潮警報・高潮観測情報の確認が重要。

海に近い家や会社は、複数の対策をセットで行う必要がある。

● 津波ハザードマップで高さを確認
● 浸水に備えて二階避難計画
● ガラス飛散対策
● 停電に備えた非常電源
● 家族の避難集合場所

特に「海から1km以内」「標高10m未満」は要注意。

海水浴・釣り・サーフィンなどのレジャーは、一歩間違えば災害と同じ。

準備すべきは、

● ライフジャケット
● 防水スマホケース
● 予備バッテリー
● 天気・波浪予報の確認
● 単独行動を避ける

「遊びのルール＝命のルール」という意識が大切だ。

海の災害は、見た目では判断できないことが多い。
だからこそ、

● 予兆ではなく“情報”を見る
● 揺れたら津波を想定して動く
● 離岸流を知っておく
● 高潮の仕組みを理解する
● 家族の避難ルールを決める

これだけで、海の近くの危険は大幅に減らせる。

海は豊かさを与えてくれる存在だが、災害時には一瞬で牙をむく。
正しい知識が、あなたと家族を守る最強の武器になる。