海沿いに住む・働く・通う人は、普段意識しないまま大きなリスクを背負っている。
津波・高潮・高波・強風・塩害など、海洋災害は突然やってくる。
ここでは、海の近くで暮らす人が「最低限やっておくべき防災対策」をまとめる。
■① 自宅と職場の“標高”を必ず知っておく
標高は、海洋災害を判断する最重要情報。
● 標高10m未満 → 津波・高潮の直接被害
● 標高10〜20m → 浸水や道路寸断リスク
● 標高20m以上 → 避難先として有力
特に海から1km以内は“津波の第一到達エリア”になる可能性が高い。
自宅と勤務先の標高は必ず把握しておくこと。
■② 津波避難ルートを“時間で”確認しておく
海洋防災の基本は「迷わず逃げる」。
そのためには、事前の行動イメージが全て。
● 徒歩で何分かかるか
● 夜間でも通れる道か
● 高齢者・子どもを連れて歩けるか
● 雨風の日も動ける道か
地図上だけでなく、実際に歩いて確認しておくと避難成功率が一気に上がる。
■③ ベランダ・窓の“塩害対策”は避難行動にも影響する
海沿いは塩害で金属が早く劣化する。
その結果、災害時に窓や扉が開かないケースがある。
● 玄関ドアの蝶番・鍵のメンテナンス
● サッシの塩分拭き取り
● ベランダ金具の点検
いざ逃げようとした時に「ドアが開かない」は命に関わる。
日頃の点検が防災につながる。
■④ 車は“津波と高潮に弱い”と理解しておく
海沿いでは車避難は危険な場合が多い。
● 流速50cmで車は動かせない
● 浸水でエンジン停止
● 逃げ道が渋滞すると逃げ遅れにつながる
例外は「早期避難」。
“揺れた瞬間に動く”レベルの判断が求められる。
徒歩避難が基本で、車は最後の選択肢だ。
■⑤ 在宅避難に必要な“海沿い特有の備え”
海洋エリアは停電・断水が長期化しやすい。
海風で電柱が倒れ、塩害で機器が故障するためだ。
備えるべきは以下。
● 飲料水＋生活用水の多めの備蓄
● 停電対策としてポータブル電源
● 塩害に強い屋外収納
● 食料は最低7日、可能なら14日
特に海沿いは「揃えておけば助かる」確率が高い。
■まとめ｜海の近くは“準備量を1.5倍”にするのがちょうどいい
海洋災害は、山や川より圧倒的に破壊力が大きく、回復にも時間がかかる。
だからこそ、海沿いの住民は準備の質と量を高くしておく必要がある。
● 標高と津波リスクを把握
● 徒歩で逃げるルートを確保
● ドア・窓の塩害対策
● 車避難のリスク理解
● 在宅避難の備蓄量を1.5倍
この5つを押さえるだけで、海の近くの生活は一気に安全性が高まる。
海と共に暮らす地域だからこそ、防災力を“日常の習慣”として育てていこう。
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