【元消防職員・防災士が解説】防災×海の事故③|“離岸流(リップカレント)”を知れば海の事故は激減する

海で命を奪う最も危険な現象が「離岸流」。
毎年多くの水難事故を引き起こす“見えない海の脅威”だ。
しかし、特徴と対処法を知っていれば、圧倒的に生存率は上がる。


■① 離岸流とは?表面は静かなのに“沖へ吸い出される流れ”

離岸流(リップカレント)は
岸から沖へ向かって一気に引きずられる強い流れのこと。

● 表面は波が穏やかに見える
● 実は足元で時速30km級の流れ
● 成人でも逆らうのは不可能

パニックになって沖まで流され、力尽きるケースが多い。


■② 離岸流の“見た目のサイン”を覚えておく

離岸流は慣れれば見分けられる。

● そこだけ波が途切れている
● 海の色が濁っている帯がある
● 白波が立たないエリアが筋状に続く
● 海面が低く“凹んでいる”ように見える

写真映えする静かな海ほど危険なことも多い。


■③ 離岸流に巻き込まれたら“絶対にやってはいけない行動”

最悪なのは“岸に向かって真っすぐ泳ぐこと”。
離岸流に逆らうと、体力を一気に消耗して溺れる。

● 全力で泳ぐ → 体力切れ
● パニック → 呼吸が乱れる
● 水を飲む → さらにパニック

沖へ流されても 生存率を上げる方法は必ずある。


■④ 正しい対処法|“横へ逃げる”これだけで助かる

離岸流は“幅”が狭い。
だから、流れを横へ抜ければ一気に安全になる。

【離岸流からの脱出方法】

● 無理に戻らず“浮いて横へ”
● 海岸線と平行に泳ぐ
● 流れから抜けたら、ななめに岸へ戻る
● 泳げない人は浮力確保して救助を待つ

ポイントは「沖ではなく横」。


■⑤ 子どもが離岸流に巻き込まれやすい理由

子どもは体重が軽いため、流れに持っていかれやすい。

● 足がつかない深さは一気に危険 zone
● 浮き輪は波でひっくり返る
● 親の“1秒の油断”で流される

離岸流がある海では、子どもは絶対に目を離さない。


■⑥ 監視員のいる海水浴場が強い理由

監視員は離岸流の位置を常に把握している。

● 危険エリアをロープで封鎖
● 離岸流発生時に大音量アナウンス
● レスキューが即時対応

“安全に楽しみたい人”は必ず管理された海を選ぶ。


■⑦ 釣り・サーフィン・SUPも離岸流リスクは大

海水浴だけが危険ではない。

● サーフィンで沖へ戻れない
● SUPが強風+離岸流で流される
● 防波堤で釣り人が波に落とされる

海遊びをするすべての人に関係する知識。


■まとめ|離岸流の知識は“海の生存率”を劇的に上げる

離岸流は恐ろしいが、対策を知っていれば怖くない。

● 見た目のサイン
● 逆らわず横へ逃げる
● 浮いて落ち着く
● 管理された海で遊ぶ

この4つを知るだけで、海の事故は大幅に減らせる。
家族を守るために、今日から“海のリスク”も防災の一部として覚えておいてほしい。

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