【元消防職員・防災士が解説】防災×アプリ③|“被災後の生存率”を上げるアプリ活用術

多くの人が防災アプリを「速報を受け取るためのもの」と考えている。
しかし、災害後の混乱期こそアプリの真価が発揮される。
正しく使えば 水・食料の確保、避難所の混雑回避、安否確認、生活再建 まで支えてくれる。

ここでは、被災直後〜生活再建まで役に立つアプリ活用術をまとめる。


■① 被災直後:避難所の混雑・開設情報を“リアルタイムで確認”

地震・水害発生後は、避難所ごとに状況が大きく異なる。
混雑する避難所に向かうと、受け入れてもらえず移動ロスが発生する。

【必須アプリ】
● Yahoo!防災速報 → 避難情報・開設状況の通知
● 自治体防災アプリ → 避難所の位置・収容人数
● Google マップ → ルート確認&混雑状況

被災直後は「空いている避難所に早く入れるか」が安全確保の鍵。


■② 水・食料の確保に役立つ“生活インフラアプリ”

災害直後は、どの店舗が営業しているかが最大の問題になる。

【使えるアプリ】
● Googleマップ → 営業中表示・混雑状況
● コンビニ公式アプリ(セブン/ローソンなど)
● スーパーの公式アプリ(イオン/マックスバリュなど)

自治体の情報より、店舗アプリのほうが早い場合も多い。
「どこで食料が買えるか」を最速で掴むほど、生存率は上がる。


■③ 停電・断水の復旧情報をアプリで即時キャッチ

ライフラインの復旧は、生存だけでなく生活再建にも直結する。

【停電情報】
● TEPCO・九電など電力会社アプリ
● Googleで「停電情報 ○○市」と検索(最速で出る)

【断水情報】
● 自治体アプリ
● 上下水道局アプリ
● SNS公式アカウント

ライフライン復旧のスピードを把握できれば、行動計画が立てやすくなる。


■④ 家族の安否確認は“アプリの使い分け”で効率化

災害時、連絡がつかない原因は「通信の輻輳」。
だから通話やメッセージだけに頼るのは危険。

【確実性が高い順】
① 災害用伝言ダイヤル171
② 災害用伝言板(携帯会社)
③ LINE 安否確認
④ SNS(ただし情報混乱に注意)

家族のルールは「連絡がつかなくてもパニックにならない仕組み」を作ること。


■⑤ SNSは“情報収集ツール”ではなく“検証ツール”

災害時、X(旧Twitter)は最速で情報が流れる。
しかし、誤情報・デマも同時に溢れる。

● SNSは“一次情報”として扱わない
● 気象庁・自治体・消防の公式で裏取りする
● 動画は位置情報・日時を必ず確認する

SNSの正しい使い方は
「早く知る」ではなく
「裏取りに使って判断精度を上げる」こと。


■⑥ 生活再建アプリで“被災後の申請を効率化”

被災後の負担を軽くするのは、アプリによる行政手続きの効率化だ。

【役立つアプリ】
● マイナポータル → 罹災証明・支援金情報
● 自治体アプリ → 給水・物資配布・補助金
● 銀行アプリ → 口座振替・ローン相談
● 保険会社アプリ → 被災写真の提出・保険請求

アプリを使いこなす人ほど、生活再建が早い。


■まとめ|アプリの使い方で“災害後の生存率”は変わる

被災後に頼れるのは 準備しておいたスマホ だけ。
アプリは「入れて終わり」ではなく、
● 何を見るか
● どう行動に変えるか
で価値が決まる。

● 避難所の混雑を回避
● 食料・水の入手を最速化
● 連絡手段を確保
● 復旧・支援情報を掴む
● 生活再建を効率化

防災アプリは、あなたと家族の“災害後の命”を守るツールになる。

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