【元消防職員・防災士が解説】防災×キキクル⑬|“紫(極めて危険)”で絶対にやるべき行動と「黒」にしないための最終判断

キキクルの中で“黒の一歩手前”が 紫(極めて危険)
紫は「災害がいつ発生してもおかしくない状態」で、
ここで動けるかどうかが 生死を分ける最終ライン になる。

紫=避難完了のリミット。
紫のうちに逃げ切ることで、黒(災害発生)を避けられる。


■① 紫は“時間との勝負”。迷っている時間が命を奪う

紫は黒よりは安全だが、
● 河川が氾濫寸前
● 斜面が限界
● 地下・低地の浸水が始まっている
● 突風・豪雨・雷のピークが接近
という状態。

迷っていると黒へ移行し、外へ出られなくなる。

紫が出たら“思考停止で避難”が正解。


■② 紫で必ずやるべき行動は「即時避難」。荷物は最小限

紫では、避難先へ向かうことはまだ可能。
しかし時間は残されていない。

最低限だけを持ってすぐ出る。

● スマホ
● モバイルバッテリー
● 財布
● 水
● 常備薬
● ヘルメット or 厚手の帽子

避難バッグを探すより“まず出る”が正しい。


■③ 車での避難は“状況次第”。冠水が始まっているなら使わない

紫のときは、車が使える地域と使えない地域が分かれる。

車を使っていいケース
● 道路がまだ乾いている
● 見通しが確保できる
● 河川や谷に近くない

車を使ってはいけないケース
● すでに冠水が始まっている
● 土砂流入の可能性が高い
● 暴風でハンドルが取られる
● 夜間で周囲が見えにくい

迷ったら“歩いて避難”。
車は黒に切り替わると単なる棺桶になる。


■④ 紫で迎えに行く行為は、黒での死亡リスクに直結する

紫の段階で多いのが「迎えに行って犠牲になるパターン」。

● 学校へ迎えに行く
● 実家へ向かう
● 友人や親族を誘導

紫=まだギリギリ動ける
ではなく
紫=もう危険すぎる

家族は「各自、最寄りの避難先へ向かう」。
合流しようとすると判断が遅れる。


■⑤ 紫は“川・斜面・地下に近づかない”が絶対ルール

紫で最も多い死亡リスクは「危険地帯に足を踏み入れること」。

● 河川の様子見
● 用水路の確認
● 山側の状況確認
● 地下の駐車場の車を取りに行く

これらは紫の段階で命取り。
黒では助けに行くことさえ不可能になる。


■⑥ 紫での避難先は“最寄りの安全な場所”。遠くへ移動しない

紫=遠くの避難所へ向かう時間はない。

避難先の優先順はこれ。

① 家の2階以上
② 近所の鉄筋コンクリート建物
③ 指定避難所(徒歩で行ける距離のみ)

遠くの避難所を目指すのは危険。
途中で黒になれば道路から退避できない。


■⑦ 紫のときは“家族が合流せずバラバラに避難”が正解

紫でやってはいけない行動
● 家族の帰宅を待つ
● 集合してから移動する
● 家族が揃うまで様子を見る

紫→黒の流れは非常に速いため、
「いま動ける人から避難」が鉄則。


■⑧ 紫の段階でのSNS情報は危険。公式情報だけを信じる

紫が出ているとき、
SNSでは誤情報・デマが急増する。

● “川の様子を見てきた人”の投稿
● “まだ大丈夫”という油断コメント
● “避難してない人多数”という安心材料
● “避難所が満員”という誤情報

紫のときにこれらを信用すると避難が遅れる。
公式情報(自治体・気象庁)だけを見る。


■⑨ 紫で必ず確認するべき3点セット

● 避難場所への安全ルート
● 外が危険になった場合の2階への退避
● スマホのバッテリー残量(50%以上確保)

紫は時間との戦い。
この3つを押さえておけば“黒になっても生き残れる”。


■⑩ まとめ|紫は「逃げ切る最後の時間」。黒にしないのが最大の防災

紫のうちに避難していれば、
黒に切り替わった後に命を落とすことはほぼ防げる。

紫でやるべき行動
● 最小限の荷物で即時避難
● 車は冠水前のみ使用
● 家族は合流せず各自が最寄りに避難
● 危険地帯へ近づかない
● SNSの誤情報に流されない
● 遠くへ行かず近くの安全場所へ避難

紫=“行動すれば助かる段階”。
黒=“行動できず命を失う段階”。

紫で動けるかどうかが、防災の本質になる。

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