【元消防職員・防災士が解説】防災×キキクル⑭|“黒(災害発生)”が出た瞬間に取るべき行動はたった1つ

キキクルの最終段階が 黒(災害発生)
これは「避難行動を取る時間がもう残っていない」ことを意味する。

黒=生命の危険がすでに目前。
黒になった時点で外へ出る行動は“極めて危険”であり、
正しい行動は 「その場で生存率を最大化する」こと になる。


■① 黒は“逃げられない段階”。避難所へ向かうのは死亡リスクが極端に高い

黒で外に出ると以下のリスクが重なる。

● 河川がすでに氾濫
● 斜面が崩れ始めている
● 道路が冠水・流出
● 風速30m超の暴風で歩行不能
● 周囲が暗闇(停電)

黒=“外は戦場”。
ここで避難所に向かうのは、自ら危険に飛び込む行為になる。

黒では「外に出る」は選択肢から消える。


■② 黒でやるべき行動はただ一つ。「建物内の最も安全な場所へ移動」

外へ出られない以上、
“建物の中で生き残るための行動”が唯一の選択肢。

安全な場所の優先度は次の通り。

① 2階以上の丈夫な部屋
② 家の中央(窓から遠い)
③ 浴室・トイレなどの小部屋
④ クローゼット・押し入れ

共通点は
● 壁が多い
● 物が飛んでこない
● 浸水・倒壊の影響が小さい

建物の中で“命を守れる空間”に避難するのが黒の基本行動。


■③ 水害時の黒は「垂直避難」一択。横移動はしてはいけない

黒=すでに浸水が発生している恐れがある。

● 階段で2階へ
● ロフトや屋根裏でも可
● ベランダから隣家へ移動するのは危険

水は一気に来る。
横に逃げようとすると間に合わない。

黒になったら“縦に逃げる”しか生き残る方法はない。


■④ 土砂災害の黒は「山の反対側の部屋に移動」。これが最も生存率が高い

● 崖・斜面側 → 非常に危険
● 道路側・平地側 → 安全度が高い

建物全体が土砂で押される可能性があるため、
山に面した部屋から“とにかく距離を取る”。

同じ家の中でも、部屋の位置で生存率が大きく変わる。


■⑤ 黒での行動は“1分以内にできること”しか選んではいけない

黒で選べる行動は時間に余裕がない。

● リュックを探す
● 車で避難
● 家族を迎えに行く
● 避難所へ走る

これらは全て「してはいけない行動」。

黒でやるべきはシンプル。

① 上の階へ
② 家の中央へ
③ 小部屋に避難
④ 扉を閉める

複雑な行動は命を落とす原因になる。


■⑥ 黒のときは“スマホを命綱”として使う

外へ逃げられないため、スマホは命を守るツールになる。

やるべきこと
● 充電節約モード
● ライトの点灯(停電対応)
● 家族へ「今どこにいるか」を短文で送る
● 無駄な検索や動画は開かない
● オフライン地図の準備

スマホは情報と連絡の生命線。
黒の間は使い方を最小限に。


■⑦ 黒での“してはいけない行動”は必ず知っておく

黒で最も死亡につながる行動
● 川の様子見
● 冠水した道を歩く・車で走る
● 地下駐車場へ車を取りに行く
● 斜面・裏山の確認
● 用水路の点検
● 家族を迎えに出る

黒=災害がすでに発生中。
確認行為は即命取り。


■⑧ 黒で建物が危険な時は「最後の選択」として屋根・高所へ

どうしても建物内が危険な時、
最後の選択として“屋根やベランダの高所”が有効。

ただし暴風・落下物・転落のリスクが高いため、
あくまで“最終手段”。

黒では「今いる場所から少しでも高く・安全な方向へ」が命のルール。


■⑨ 黒が解除されたら、すぐに外に出ず“二次災害”を警戒する

黒が解除=すぐ安全ではない。
災害はピークが過ぎても危険が残る。

● 倒木
● 電線が垂れ下がる
● 道路の陥没
● 残留水流
● 追加の斜面崩壊

解除後は“最低30分”は様子を見る。
落ち着いてから移動するのが安全。


■⑩ まとめ|黒では逃げない。“生存空間に避難する”が命を守る行動

黒になってから避難所へ行くことはできない。
やるべき行動はただ一つ。

● 家の中で最も安全な場所に移動する

黒での正しい行動
● 外へ出ない
● 2階以上へ移動
● 山側から離れる
● 小部屋へ避難
● スマホで最低限の連絡
● 二次災害に警戒

黒は「行動できない段階」。
その中で生き残る方法は“室内で安全を最大化する”ことだけ。

これを知っているかどうかで、命の確率は大きく変わる。

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