【元消防職員・防災士が解説】防災×妊婦さん②|地震・停電・断水が起きた時の“具体的な行動ガイド”

妊娠中に災害が起きると、普段以上に不安が大きくなる。
特に「急にお腹が張ったら?」「夜中に地震がきたら?」など、想像するだけで不安は膨らむ。

この記事では、妊婦さんが“その瞬間どう動けばいいか”を明確にし、不安を最小限にする行動をまとめる。


■① 地震が起きた瞬間、妊婦さんが最優先でやること

妊婦さんがとるべき行動はシンプルで、「身を守る」が最優先。

● ① 無理に立ち上がらない

大きな揺れの時は、転倒が一番危険。
妊婦さんは重心が前にあり、バランスを崩しやすいため立ち上がらない。

● ② 丈夫な机の下 or 壁際にしゃがむ

お腹を両手でかばいながら、頭を守る姿勢を取る。

● ③ 揺れが収まるまで動かない

揺れている最中に動くと転倒しやすい。

これだけで、地震のケガのリスクを大幅に減らせる。


■② 停電時に妊婦さんが必ず確保すべき“3つの安全”

停電は真っ暗で行動できないだけでなく、
妊婦さんの体温調整にも大きな影響を与える。

● ① 足元の安全

転倒防止のため、
懐中電灯・ランタンはすぐ手の届く場所に。

● ② 体温管理

冷えはお腹の張りや体調悪化の原因になる。
毛布・カイロ・羽織りものが近くにある状態を作る。

● ③ 連絡手段

スマホの充電が切れると不安は急激に増える。
モバイルバッテリーは満充電で2台あると理想。


■③ 断水が起きたら“最初の5分”にやるべきこと

断水が起きてから「どうしよう」と考えると、ストレスが一気に高まる。

妊婦さんに必要なのは、行動を決めておくこと。

● ① トイレ確保

妊娠後期はトイレ回数が多いため、断水時のストレスは特に大きい。

・簡易トイレ
・45Lゴミ袋
・消臭剤
・ウェットティッシュ

※簡易トイレは最低20回分。

● ② 飲み水の確保

1日3L × 3日分が目安。

「お腹の赤ちゃんのため」と考えると、備えは確実に安心へつながる。


■④ 夜間の災害は“無理に動かない”が基本

妊婦さんの夜間避難は危険が多い。

● 足元が見えず転倒しやすい
● 避難路の段差や破片に気づけない
● 家族が不在の場合リスクが倍増

夜間の原則はこれ。

「家が安全なら、夜明けまで在宅避難」

火災・建物倒壊・浸水などの危険がある場合のみ、早めに避難。


■⑤ 妊婦さんが備えると“安心が倍増する”アイテム

不安を最も消してくれるのは、“自分専用の備え”を持つこと。

● 大きめのペットボトル(重い物は避ける)
● ゼリー飲料(食べやすい・栄養補給)
● マスク(避難所での感染対策)
● カーディガン(体温調整)
● 産院でもらう書類のコピー

特に産院の書類は、災害時の診療で大きく役立つ。


■⑥ 一人の時に災害が起きたらどうする?

妊婦さんが最も不安を感じるのが「家に一人の時」。

次の行動だけ覚えておけばOK。

● ① 身を守る(無理に動かない)

● ② スマホを手元に

● ③ 電気・火の確認

● ④ 無理に外へ出ない

● ⑤ 必要な場合のみ家族へ連絡

たったこれだけで、行動の不安は大きく減る。


■⑦ 被災後、妊婦さんが必ず意識すべき“体のサイン”

災害時はストレス・緊張・環境変化によって身体への影響が出やすい。

以下のサインがあれば、早めに医療機関へ連絡。

● お腹の張りが続く
● 激しい腰痛
● 出血
● 強い不安感
● 赤ちゃんの動きが少ない

災害時こそ「気になることはすぐ相談」が命を守る。


■まとめ|妊婦さんは“行動を決めておく”だけで不安が半分になる

妊婦さんが災害で最も怖いのは、
「何をすればいいか分からない」という不透明さ。

だからこそ、

● 地震の身の守り方
● 停電・断水の初動
● 夜間は無理に動かない
● 自分専用の備えを作る
● 医療機関に相談できる体制を作る

これらを事前に整えておくだけで、妊婦さんの不安は確実に小さくなる。

お腹の赤ちゃんを守るためにも、
今日から一つずつ準備を進めていこう。

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