【元消防職員・防災士が解説】防災×妊婦さん③|避難所生活を“安全・快適”にするための具体的ポイント

妊娠中に避難所へ行くことになれば、
「環境の変化」「感染症リスク」「プライバシー不足」など、不安は一気に増える。
だからこそ妊婦さんは、一般の避難者とは違う視点での準備が必要になる。

ここでは、妊婦さんが避難所で“体調を守りながら過ごす方法”をまとめる。


■① 避難所に着いたら“最初にやるべき3つ”

避難所では、妊婦さんは優先サポートを受けられることが多い。
まずは次の3つを確認する。

● ① 妊婦であることを職員に伝える

支援物資・スペース・配慮の点で扱いが変わる。
「妊娠◯週です」と伝えるだけでOK。

● ② 静かに休める場所を確保

できれば以下の条件があるスペースが理想。
・人が密集していない
・出入口から離れている
・温度変化が少ない

● ③ トイレの距離を確認

妊娠中はトイレが近いため、トイレに行きやすい位置が安心につながる。


■② 妊婦さんに必須の“環境づくり”

避難所は硬い床・騒音・照明が強く、妊婦さんにとってストレスが大きい。

次の工夫だけで体調の負担は大幅に減る。

● ● 下に敷くもの

・銀マット
・エアマット
・段ボールベッド

硬い床は腰痛・むくみの原因になりやすい。

● 温度管理

妊婦さんは急な温度変化が体調不良につながる。
羽織りもの・ブランケットがあるだけで安心感が大きい。

● プライバシーの確保

毛布で仕切る、パーテーションを活用するなど、
“他人の視線が気にならない環境”を作る。


■③ 食事・水分の取り方|妊婦さんは“いつもより意識して”

避難所生活は緊張状態が続き、食事や水分が乱れやすい。

● 水分補給

妊婦さんは脱水に弱い。
1日1.5〜2リットルを目安にこまめに飲む。

● 栄養補給

食事が偏りやすいため、次のような備えが役に立つ。

・ゼリー飲料
・栄養補助食品
・スティックパン
・ビタミン補助サプリ

特に妊娠後期はエネルギー不足だと疲労が急に出やすい。


■④ 感染症対策は“通常の2倍の意識”

妊婦さんが避難所で最も気をつけたいのが 感染症
妊娠中は免疫が落ちるため、通常よりも感染しやすい。

● ① 人混みを避ける

長時間の密集は避け、小まめにスペースを移動する。

● ② マスクを常備

可能なら不織布マスクを複数枚。

● ③ 手指消毒

アルコールウェットティッシュが便利。

● ④ 換気を確認

空気がこもる場所は避ける。


■⑤ 妊婦さんが避難所に持っていくと“安心が段違い”

避難所生活で妊婦さんの負担を減らすアイテム。

● 母子手帳
● 産院の書類
● ゼリー飲料
● ブランケット
● くつ下(冷え防止)
● お腹を支える腹帯
● カイロ
● マスク
● 常備薬

特に母子手帳と産院情報は、緊急受診が必要な時に必須。


■⑥ “お腹の張り・疲れ”を強く感じたら

避難所はストレスと疲労が溜まりやすいため、妊婦さんは体調の変化に敏感になる。

以下の症状があれば、すぐに職員に相談。

● お腹の張りが強い
● 出血
● めまい・吐き気
● 赤ちゃんの動きが少ない
● 強い不安感が続く

避難所では妊婦さんを優先的に支援する仕組みがあるため、必ず頼ってよい。


■まとめ|妊婦さんは“優先的に守られるべき存在”。遠慮はいらない。

妊婦さんの避難所生活で重要なのは、

● 状況を伝える
● 無理をしない
● 休める環境をつくる
● 感染症対策を強化
● 必要な時はすぐ相談

この5つだけで、避難生活の安全度は大きく上がる。

あなたと赤ちゃんのことを第一に考え、
安心できる環境を遠慮なく確保してほしい。

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