妊婦さんにとって“在宅避難”は大きな選択肢になる。
避難所は騒音・寒さ・衛生・プライバシーなどの点で負担が大きく、
家のほうが安心して過ごせるケースも多い。
ここでは 妊婦さんが災害時に家で安全に過ごすためのポイント をまとめる。
■① 家の「安全ゾーン」を決めておく
揺れや破損から身を守れるスペースを事前に決めておく。
● 落下物が少ない部屋
● ガラスから離れた位置
● 寝室の家具転倒対策
● 布団・座布団で頭部を守れる場所
● 段差が少なく避難しやすい位置
特に妊婦さんは瞬間的に動けないため、
安全ゾーンの事前設定は必須。
■② 停電・断水に備えた“生活の工夫”
在宅避難で最も負担が大きいのが 水・電気・トイレ。
● 停電対策
・ランタン(LED)
・電池式ライト
・スマホの充電手段(モバイルバッテリー・ソーラー)
・冷蔵庫は開閉最小限
● 断水対策
・飲料水 1人1日3L × 3日以上
・トイレ用の生活用水
・節水できる備品(ポリ袋・簡易トイレ)
妊婦さんは水分不足が危険につながるため、
“水の確保”が最優先。
■③ 調理を“簡単にする”準備が必要
災害時はガス・IHが使えないことも多い。
● カセットコンロ
● ガスボンベ(20本以上)
● レトルト・缶詰・パックご飯
● お湯を注ぐだけで食べられる食品
● 添加物が少ない優しい食事
● ゼリー飲料・果物パウチ
妊婦さんは栄養バランスが乱れやすいため、
体に負担の少ない食品を多めに備えておく。
■④ 寒さ・暑さ対策は“妊婦さん最優先”
妊婦さんは体温調整が難しく、災害時はより深刻になる。
● 寒さ対策
・毛布・寝袋
・カイロ
・厚手靴下
・アルミシート
● 暑さ対策
・ハンディ扇風機
・保冷剤
・遮光カーテン
・こまめな水分補給
温度管理は、妊婦さんの体調を守る防災行動。
■⑤ 心身の休息を確保する
在宅避難は「休める」と思われがちだが、
妊婦さんは意外とストレスが溜まりやすい。
● 横になれるスペース
● 静かな環境
● こまめに水分補給
● 家族が家事・雑務を担当
● 不安なことは声に出して周囲に共有
特に “不安を言える環境” は、災害時の妊婦さんにとって非常に重要。
■⑥ 家族のサポートが必須
妊婦さんは「いつも通りの行動」が難しくなるため、
家族の役割分担が欠かせない。
● 重い荷物は家族が担当
● 情報収集は家族の役割
● トイレ・水の確保は家族が準備
● 避難判断は夫婦で共有
● 夜間は妊婦さんを一人にしない
“妊婦さんを中心に生活を回す”のが災害時の基本。
■⑦ 不調があれば迷わず相談・受診
在宅避難でも体調トラブルは起こりうる。
以下はすぐに相談すべきサイン。
● 強いお腹の張り
● 不正出血
● めまい・動悸
● 赤ちゃんの動きが少ない
● 発熱
● 激しい不安
「大丈夫かも…」と我慢せず、必ず家族に伝える。
■まとめ|妊婦さんの在宅避難は“事前準備で9割が決まる”
妊婦さんは身体の負担が大きく、災害時はさらにリスクが高まる。
だからこそ、自宅を“妊婦さんが安心して過ごせる環境”に整えておくことが最重要。
● 安全ゾーン
● 水・電気・トイレの準備
● 栄養とれる簡単食
● 温度管理
● 休息スペース
● 家族のサポート
これらを整えれば、妊婦さんの不安は大きく減り、
災害時でも母子を守る力が高まる。
あなたと赤ちゃんの安全のために、今日から少しずつ準備を進めてほしい。

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