災害時、避難所では人・ペット・環境の三つが密接に影響し合う。
特にペット同行避難では、感染症だけでなく「人とのトラブル」も大きな課題になる。

避難所でペットを守りつつ、周囲との摩擦を最小限にするためのポイントをまとめる。

■① ペット同行避難＝“共存ルールを守れる家庭だけができること”

避難所は公共の場。
アレルギー・恐怖症・衛生面の不安を抱える人も多い。

そのためペット同行避難では、飼い主の配慮が何より重要。

● 匂い・抜け毛の管理
● 大声・吠えのコントロール
● 排泄処理の徹底
● ケージから出さない原則
● 他の避難者への声かけ・挨拶

「自分のペットは大丈夫」は通用しない。
飼い主がルールを守ることで、受け入れられやすくなる。

■② 吠え・鳴き声対策は“避難前から練習する”

避難所で最も多いトラブルが“吠え”。
普段静かなペットでも、避難所の環境で一気にストレスが高まり鳴き声が増える。

避難前にできる準備：

● クレート訓練をする
● 留守番慣れをさせる
● 知らない環境に短時間置く練習
● 音刺激（人の声・雑音）に慣らす
● 落ち着くアイテム（毛布・おもちゃ）を用意

トレーニングをしている家庭ほど、避難所で周囲から感謝される。

においは避難所で敏感に受け止められる。

特に注意するポイント：

● 排泄物は即処理
● 防臭袋を使用
● ペットシートを多めに
● 体臭ケア（ブラッシング・ウェットシート）
● ケージ周りの定期清掃

におい対策は、感染症予防と周囲の安心感の両方に直結する。

避難所にはアレルギーを持つ人がいる。
抜け毛は見えにくいが確実にトラブル原因になる。

● ケージは必ず布で覆う
● ペット用ウェアを着せる
● 抜け毛を抑えるブラッシング
● 定期的な掃除

「他人がどう感じるか」を常に意識して行動することで、避難所での居場所が守られる。

避難所では「触ってもいいですか？」と声をかけられることがある。
しかし、感染症リスクやペットのストレスを考えると安易な接触は避けたい。

● 基本は“触れ合いNG”で統一
● 子どもには特に距離を取ってもらう
● 愛想よく断ることで関係は悪化しない

災害時はトラブルを避けるのが最優先。
触れ合いはペットにとっても負担になる。

避難所では孤立がリスクを生む。
ペットを連れていると周囲に話しかけづらくなる人も多い。

● 挨拶だけでもしておく
● 周囲に迷惑をかけたら即謝る
● 状況を共有する（吠えてしまう、体調が悪い等）
● 小さな気遣いを積み重ねる

飼い主の態度ひとつで、避難所での協力関係が大きく変わる。

避難所運営側はペット対応に慣れていないことがほとんど。
だからこそ飼い主の姿勢が重要。

● ルールは必ず守る
● 要望は丁寧に伝える
● 「お手伝いできることありますか？」の姿勢
● トラブルが起きたらすぐ報告

協力的な態度の家庭は、スタッフからも信頼されやすい。

避難所でペットを守るために大切なこと：

● 吠え・におい・抜け毛のコントロール
● 1匹1ケージの徹底
● 他の避難者への気遣い
● スタッフとの協力姿勢
● 触れ合いを安易に許さない
● ストレスケアを常に意識

ペット同行避難の成否は、飼い主の行動次第。
周囲と共存できれば、ペットも安心して避難生活を送れる。
「守るべき命は人もペットも同じ」。
今日の準備が、災害時の居場所を大きく変える。