災害時、ペットは人間以上にストレスを受け、免疫力が急激に低下する。
免疫が落ちると、普段は問題ない細菌やウイルスでも発症しやすくなるため、避難所では「感染症の予防ケア」が欠かせない。
ここでは、犬・猫が避難生活で感染症にかからないために必要な現実的な対策をまとめる。
■① ワクチン接種は“最大の感染症対策”
避難所で感染症が広がる原因は「多頭が密集すること」。
● 狂犬病ワクチン(犬)
● 混合ワクチン(犬:5〜7種、猫:3〜5種)
● 高齢ペットは獣医師と相談し調整
ワクチンは“家族の安全そのもの”。
災害は突然来るため、平時から必ず更新しておきたい。
■② ストレスを減らすだけで免疫力が守られる
避難所は騒音・におい・人混みでストレスが強い。
そのストレスが感染症発症の引き金になる。
● ケージに布をかけて視界刺激を減らす
● 飼い主が定期的に声かけ
● 静かな場所に配置してあげる
● 散歩コースは短時間でもよい
ストレスが下がると、皮膚病・下痢・呼吸器疾患の発症リスクが大きく減る。
■③ 水分管理は“感染症予防の基本”
脱水は免疫力を一気に下げるため、避難生活では特に重要。
● 新鮮な水を常にケージに入れておく
● こまめに交換して雑菌繁殖を防ぐ
● 飲水量が減る犬猫にはウェットフードも活用
排泄物のにおい・下痢を防ぐ効果も高く、周囲とのトラブル防止にもつながる。
■④ 排泄物の処理を徹底する=感染症を隔離する
避難所で最も感染リスクが高いのが“排泄物”。
● 汚物は密閉型の防臭袋へ
● ペットシーツはこまめに交換
● 手袋+アルコールシートで周囲を拭く
● 排泄は専用スペースで行う
これだけで、ノロウイルス類似症状・寄生虫・細菌感染の拡大を防げる。
■⑤ ノミ・ダニ対策は避難所で必須
避難所では芝生・屋外・多頭環境を通じてノミダニが急増する。
● フロントラインなど予防薬を常備
● ブラッシングで体毛チェック
● 布団やタオルは毎日振ってゴミ取り
ノミダニは“人にも感染する”。
ペットと人の健康を守る最重要ポイント。
■⑥ ケージ・寝具の清潔さが感染症を防ぐ
不衛生なケージは、皮膚病・真菌・下痢の原因になる。
● 1日1回は簡易拭き掃除
● タオルは2〜3日で交換
● 食器は洗う or ウェットシートで拭く
ケージが清潔なだけで、避難所での病気発生率は大きく下がる。
■⑦ 咳・鼻水・下痢が出たら“場所を分ける”
犬猫も避難所で風邪症状を起こす。
● 咳が出る
● 鼻水が続く
● 下痢が長引く
● 明らかに元気がない
この場合は“隔離できる場所”に移しておくのが鉄則。
他のペットへの感染を最小限に抑えるための行動である。
■⑧ 食べ慣れたフードを“絶対に持っていく”
避難所で急に違うフードを食べると、消化不良で下痢になりやすい。
● 普段のフードを最低3日分
● お腹に優しいウェットを数個
● 小袋に分けて衛生管理
胃腸トラブルを避けることが、結果的に感染症予防になる。
■⑨ 他のペットと距離を取る:感染の8割は“密接接触”
避難所ではどうしても多頭が近づく。
● ケージ同士を密着させない
● 触れ合いは控える
● お皿・トイレを共有しない
感染症のほとんどが“接触”で広がるため、距離を取るだけでリスクは大幅に下がる。
■⑩ ペットの健康チェック表を作るとトラブルが激減
「いつ異常が出たか」が分かるだけで感染症の判断がしやすくなる。
● 食欲
● 排泄
● 体調(咳・くしゃみ、目やに)
● 元気度
● 皮膚・毛並み
このチェックは飼い主本人の安心にもつながる。
■まとめ|避難所でペットを守る最大の武器は“予防”
避難所で感染症を防ぐために意識すべきポイントは次の5つ。
● ワクチンを切らない
● ストレス管理を徹底
● ケージ・寝具を清潔に
● 排泄物の密閉処理
● 他のペットと適切な距離
災害時、獣医がすぐに来られるとは限らない。
だからこそ、飼い主が「守る技術」を持っておくことが、ペットの命をつなぐ最大の力になる。

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