大地震が発生した際、エレベーターは最もリスクが高い設備のひとつ。
災害後の救助現場でも「閉じ込め」が多発し、長時間の孤立につながるケースが後を絶たない。
日常的にエレベーターを利用する人ほど、事前の備えと“揺れた瞬間の行動”が命を左右する。
■エレベーターは“地震の第一波”で止まる
現代のエレベーターの多くは、揺れを感知すると自動的に最寄り階で停止し、扉が開くしくみになっている。
しかし、以下のようなケースでは閉じ込めが起こる。
● 揺れが想定値を超えて作動が遅れる
● 停電と地震が同時に発生
● 地震計とエレベーターの感知にズレがある
● 通信が断たれて救助が遅延
特に古い建物や地方の小規模施設は、感知システムが最新ではない場合も多い。
■揺れを感じた直後に“必ずやるべきこと”
① すぐに全階のボタンを押す
複数階のボタンを押すことで、最も近い階で停止する確率が上がる。
地震時には操作を迷わず押すことが重要。
② 扉が開いたら秒で降りる
揺れの余震で再び動く可能性もあるため、ためらわずに降りる。
閉じ込めは“たった数秒の遅れ”で発生する。
③ 扉が開かない時は非常ボタンを押す
● インターホンで管理会社と通話
● 状況を伝える
● 救助時間の予測を聞く
怖さより“冷静に連絡する習慣”が重要。
■閉じ込められた時に絶対してはいけない行動
● 扉をこじ開ける
● 強引に天井を破ろうとする
● 通気口を塞ぐ
どれも二次災害のリスクが高く、実際の事故例もある。
安全確保のため、外部との連絡が最優先。
■普段から準備しておくと“生存率が上がる”アイテム
● 小型ライト
● モバイルバッテリー
● 小型の水（100〜200ml）
● スマホを操作しやすいストラップ
わずか数十グラムでも、閉じ込め時の精神的安定に大きく寄与する。
■エレベーターが止まった“その後”をどう生き延びるか
地震後、エレベーター復旧には次のようなステップが必要。
● 建物全体の安全点検
● 電源（変電所）の復旧
● 各エレベーターの個別点検
● システムの再稼働確認
大地震では“早くても半日〜1日”、長ければ数日かかることもある。
高層階に住む人ほど「階段での行動」を前提にしておく必要がある。
■まとめ
エレベーター閉じ込めは、運ではなく“行動と準備”で大きく減らせる。
● 揺れたら全階ボタン
● 扉が開いたらすぐ降りる
● 閉じ込められたら非常ボタンで連絡
● 普段から小型ライト＆バッテリーを携行
毎日の習慣が、災害時の生存率を確実に引き上げる。
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