大地震だけでなく、台風・雷・大雨・設備トラブルでもエレベーターは突然停止する。
都市部では「地震より停電で止まる確率の方が圧倒的に高い」。
日常災害として備えておくことで、被害を最小化できる。
■エレベーターは“地震がなくても止まる”という前提で動く
都市部では年間数百件以上、
● 停電
● 落雷
● 系統トラブル
● ビル内の電気設備故障
でエレベーターが停止している。
地震がない=安全ではない。
「揺れていないのに止まる」という状態を想定しておくことが重要。
■停電による突然停止で起こること
停電で止まったエレベーターは以下の状態になることが多い。
● 照明は非常灯のみ
● 空調は停止
● 通信は非常ボタンのみ(スマホ圏外の場合あり)
● 扉の位置は“階と階の間”で停止しやすい
特に夏場は熱中症リスクが高く、時間との勝負になる。
■停電停止時に取るべき行動
① 非常ボタンを押す
停電時でも非常回線は作動するケースが多い。
落ち着いてボタンを押し、応答を待つ。
② 扉を開けようとしない
停電停止の時は、カゴの位置がずれていることが多い。
無理に開けると、
● 足を挟む
● 隙間に落下
など重大事故に直結する。
③ 明かりが必要ならスマホライト
ただしバッテリーを節約すること。
長期化することを想定し、必要最低限に留める。
④ 空調停止=熱中症対策が必要
夏場のエレベーターは密閉空間で温度が急上昇する。
● ハンカチで仰ぐ
● 水分があれば少量ずつ
● 服を緩めて風を通す
● 姿勢を低くして体温上昇を抑える
「じっとして体力温存」が生存率を上げる。
■停電は長期化する前提で準備する
近年の台風・線状降水帯では、半日〜数日の停電も珍しくない。
高層マンションでは、
● エレベーター停止
● ポンプ停止で断水
● 空調・冷蔵庫停止
● オートロックの動作不良
が起き、住宅機能が大幅に低下する。
つまり、
停電=エレベーターだけの問題ではなく、生活機能全体の停止
だと理解することが重要。
■日常からできる“停電エレベーター対策”
● 揺れを感じなくても災害発生時は使用を避ける
● 台風接近日は極力使わない
● 高層階住民は在宅避難の備蓄を厚めに
● スマホは常に80%以上の充電を習慣化
● 扇子・飲み物・小型ライトを普段から持つ
● 家族と階段ルートを確認しておく
特に高層階ではエレベーターが止まると生活リスクが跳ね上がる。
■まとめ
停電によるエレベーター停止は“日常で最も起こりやすい災害の1つ”。
だからこそ備えや行動を知っておくと、危険を大幅に減らせる。
● 停電で止まる前提で行動する
● 扉を開けない
● 暗さと暑さに備える
● 救助を待つ
正しい知識があれば、日常災害でも慌てず命を守れる。

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