北海道は広大で自然が豊かだが、そのぶん災害リスクも多様。
地震・豪雪・暴風・停電・津波など、本州とはまったく違う備えが必要になる。
ここでは、北海道で生活する人が必ず押さえておきたい“地域特有の防災対策”をまとめる。
■北海道で最も警戒すべきは「地震×停電×寒さ」の三重苦
北海道胆振東部地震では、大規模停電(ブラックアウト)が発生し、
通信・暖房・水道・物流が同時にストップした。
北海道の災害は、被害そのものよりも
停電によって暖房が止まることが最大の生命リスクになる。
● エアコン暖房が使えない
● FF式・ストーブなども電源が必要
● 氷点下で暖房が止まると低体温症の危険
● ペット・高齢者ほど危険度が上昇
寒さは「静かに命を奪う災害」。
■① 暖房停止に備える“二重・三重の暖房手段”
北海道の防災では、停電時の暖房確保が最重要となる。
● カセットガスストーブ
● 石油ストーブ(電源不要タイプ)
● 湯たんぽ・カイロの大量備蓄
● 寝袋(冬用マミー型)
● 冬用テントで室内暖房効率UP
特に“電気不要の石油ストーブ”は道民の命を守る装備。
■② 水道凍結・断水への備え
北海道では、震災や停電でポンプが止まると断水が長期化しやすい。
● 水は1人1日3L×最低7日分(冬は多めに)
● 浴槽への水張り(凍結防止のため保温)
● トイレ用の水を別に確保
● 凍結防止テープ・凍結防止ヒーターの点検
冬は水の確保が“命の確保”と直結する。
■③ 冬の外出は「車内装備」が生死を分ける
北海道では、災害時に車内で孤立するリスクが高い。
● スコップ(雪でタイヤが埋まる)
● 毛布・寝袋・防寒着
● カセットガス+コンロ(車外で使用)
● 簡易トイレ
● モバイルバッテリー
● 非常食と水
● 牽引用ロープ
吹雪で“ホワイトアウト”になると数メートル先も見えなくなるため、
車内で待機できる装備は必須。
■④ 津波リスクが高い沿岸部は「冬こそ避難が遅れやすい」
北海道は太平洋側・日本海側とも津波リスクがある。
冬の津波避難は特に危険。
● 凍結路面で走れない
● 暗い時間帯が長い
● 高齢者・子どもが動きにくい
● 防寒具を着ての避難で機動力低下
津波常襲地域は“避難場所までの冬ルート”を必ず決めておくこと。
■⑤ 冬の停電時は「家の中が避難所」になる
北海道は避難所より自宅のほうが暖を取りやすい。
そのため、在宅避難スキルが本州より重要。
● 室内を1部屋に集約して暖房効率UP
● 毛布で窓を覆う(断熱向上)
● 湯たんぽ・カイロを活用
● 食料は火を使わず食べられる物を多めに
“家をキャンプ場化する力”がサバイバル力を決める。
■⑥ 北海道の地震は「余震が長期化」しやすい
地盤が広範囲にゆるむため、余震が多い傾向にある。
● 家の中の落下物リスク
● 停電の再発
● 物流の停滞
● 避難所の混雑
家具固定・ガラス飛散防止は北海道でも必須。
■⑦ 雪害・吹雪は災害に“格上げして考える”
北海道では、大雪や吹雪は災害そのもの。
● ホワイトアウトで交通が完全停止
● 電線の着雪で停電
● 屋根の落雪でケガ
● 車が雪に埋まりCO中毒リスク
「雪の日はむしろ災害時と同じ行動」を取るほうが安全。
■⑧ 備蓄は“冬基準”で考えること
北海道の備蓄は本州より1.5倍〜2倍が目安。
● カセットガスは最低30〜40本
● 水は1人1週間以上
● 冬用寝袋・毛布複数
● カロリーの高い食料(チョコ・ナッツ)
● 充電式ライト+手回し
停電が長引くと暖房・水・食料の全てに影響が出る。
■まとめ|北海道の防災は“寒さとの戦い”
北海道で最も危険なのは、
地震でも大雪でもなく 「停電した状態で迎える寒さ」。
● 電気が止まっても暖が取れるか
● 車内で孤立しても耐えられるか
● 冬に津波・地震が来ても行動できるか
この3つを準備しておけば、北海道の災害は大きく減らせる。
“寒さに強い家族”をつくることが、
北海道における最強の防災対策だ。

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